今のキスはカウントしない！

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羽生はゆっくり起き上がり、ベッドに座った。
そして床に座る私の腕を少し引っ張り自分と同じように私をベッドに座らす。


｢ごめんずっと床に座らせて｣


｢え、全然平気…｣


まさか今のタイミングでそんなこと謝られるとは…。私がそう思っていると羽生はキスではなく、私をギュッと抱きしめるために近づく。


私は少し驚いて硬直する
華奢そうに見えて意外といろんなところに筋肉ついてるんだなっと改めて思う。
余分な筋肉がないというか…。


｢上田ってさ、本当につかめそうでつかめない女だよね｣


私を抱きしめたまま話す羽生。羽生にくっついているから声が二重になっておかしなかんじ。



｢どういうこと？｣



私がそう言うと羽生は私から少し離れてきょとんっとする私を見てフッと笑う。
いつも無邪気に笑うくせに、そんな大人っぽい笑い方されたらドキドキしてしまう



｢…何でもない。好きって意味｣


絶対違うでしょ！なんか嫌味っぽかったよ！っと怒りたいのにそんな｢好きって意味｣なんて言われたら口元が緩む。


やばい。にやけたらまずい。そう思って私は再び唇をギュッと噛んで堪えようとしたけどそれでもダメだったから頭の中で円周率の計算をした



｢…上田、口かんだら痛いでしょ｣



私の癖に気づいた羽生は右手でそっと私の口元に手を当てて私は反射的に唇を噛むのをやめた
羽生は指で私の唇をなぞった。

うわ…伏し目がちになる羽生ってなんでこんなにかっこいいのだろうか
やっぱり普段女の子っぽい仕草を無意識のうちにやっていても男の子だなっと実感


羽生はその手を私の顎に持っていきクイッと持ち上げ、私の下唇をぺろっと舐める。


｢…うぁっ！？｣


不意打ちで驚いてびっくりした声が漏れる。
そうして私は少し恥ずかしくて再び唇をかんだ。すると羽生は呆れ顔になる



｢だからダメだって｣



ダメだって、じゃないよ！




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