19 ページ19
近距離まで近づく顔。
お互いの心臓の音が丸聞こえの距離だった。
「は…羽生…?」
私がやっとの思いで声を絞り出すが、羽生は表情一つ変えない。
「何?」
そう言いながらさらに距離を縮める羽生。
もう視界は全部羽生でいっぱい。
もうこれは…やばい
「羽生、何してるの…」
「上田が危機感ないから、襲ってる」
襲ってるって…
どこが?口先だけで全然行動に移しきれてない。今だって極限のことはしているけど絶対それ以上のことはしてこない
「羽生…やめて、ドキドキしてちょっとやばい」
私がそう言うと、羽生は少し驚いたように見える。
そして心なしか羽生自身も少し恥ずかしそうだ
「ドキドキって…危機感ある?」
私は首を横にふった。危機感なんて全くかんじない。危機感とは別の緊張。
時計の秒針の音がやたらうるさく感じる
「だって羽生優しいし、心臓の音めっちゃ聞こえる…羽生の方がドキドキしてる…」
羽生の近い胸にそっと右手を当てて言うと羽生は私の左手を握った。
「……うん。ごめん、すっごいドキドキしてる」
こんなことしたことがない…っと羽生はさっきまでの表情とはかわり、苦笑して握っていた手をさらにギュッと握る
そして羽生の長くて細い指が私の手と絡む
「は…羽生…?」
私の呼びかけに羽生は、ん?っと目線だけこちらを捉える、私の手を自分の口元に持っていき、チュッとキスをされた。
「――っはにゅ…」
驚きよりも、羽生のひとつひとつの仕草がやけに艶があって、いつもの羽生じゃないみたいでもうわけがわからない。
「羽生、ほんとにストップ。やだドキドキする…」
私がそう言うと羽生は私の手を頬に持っていく。
「コフトンにされたのとどっちが?」
羽生の質問に思わずえ?っと見つめるとインタビューの時っと言われ、あぁ…っと思い出した。
「コフトンのは…あいさつみたいなものであんなのキスのうちに入らないってゆうか」
ほんとに手の甲に一瞬チュッとしただけだし…っと言うと羽生は不機嫌になった
「でた。上田のお得意“今のキスはカウントしない”」
「お…お得意って…」
「俺とのもなかったことにしたよね。前触れないとカウントしないの?」
「前触れってゆうか感情がないキスなんて
…っうぁ!ちょ!」
私が話ている途中で再び指先にキスをされ驚いた。更に驚きは追加される
「じゃあ今からするのはカウントして」
そう言い羽生の手が私の頬に触れた
・
348人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星奈子(プロフ) - はるすけさん» はるすけさんコメントありがとうございます!褒めていただけて嬉しいです(*^^*)これからも更新していきますのでぜひまた読みにいらしてください(^^)! (2016年4月25日 7時) (レス) id: cef4b70ce1 (このIDを非表示/違反報告)
はるすけ(プロフ) - 凄く面白くてドキドキしました。続きが気になります! (2016年4月23日 22時) (レス) id: 0afe61d9c2 (このIDを非表示/違反報告)
星奈子(プロフ) - 智枝さん» 智枝さんコメントありがとうございます!笑っ そのじれったさがなんともいえないんですよね~!笑っまたぜひ読みにいらしてください! (2016年3月15日 21時) (レス) id: b27b6b9bf6 (このIDを非表示/違反報告)
星奈子(プロフ) - 鹿さん» 鹿さんコメントありがとうございます!そう言っていただけるととても励みになります!これからも楽しんでいただけるような作品にしたいと思います!ありがとうございます! (2016年3月15日 21時) (レス) id: b27b6b9bf6 (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - 男からすると、案外単純そーなのに意外と掴めない女ってのは良いんだよねぇ〜(笑)無意識たまらんね〜 (2016年3月15日 8時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星奈子 | 作成日時:2016年1月9日 0時