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「つ…つけてみよっかな」



箱からそっとネックレスを取り出して、持ち上げてみれば街頭の光が反射してすごくキラキラ光って綺麗だった



うまくつけれるかな、っと不安に思っていたのだけれど、割と器用な自分は1発でつけれることが出来た。




「…へぇ〜自分でつけれちゃうんだ」




そう言った結弦君は感心している、というよりは少し期待はずれっていう感じの「へぇ〜」だった。



「はっ…!もしかして付けてくれたの!?はずそうか!?」



「いや流石に公共の場でそれはしないけど」



クスッと笑いながら結弦君は「割と似合ってるよ」なんて言った。
割と似合ってる、って…
私に似合うの選んでくれたんじゃないの?っと思いつつも嬉しかった



「…そろそろ帰らなきゃいけないね」



そう言った結弦君はスッと立ち上がり、公園に咲いた桜を見上げる姿はもう映画のワンシーンのようだった。



くっ…イケメンっ…!っと胸を締め付けられながらも眺めていれば結弦君が私の視線に気づいて、少し引いた目で私を見る。



「…なんか今ろくでもないこと考えてない?」



顔ににやけが出てしまっていたのかな
私は両手で頬をおさえた。
…いや、でもろくでもないことは考えてない




「ただ今の結弦君の姿見ていたらご飯6杯…いや炊飯器抱え込んで完食できそうなぐらいかっこいいなって」



「それをろくでもないことって言うんだよ」



呆れながらにそう言いながら結弦君の手がそっと伸びてきて私の髪に触れた。



優しい触り方にドキッとしつつ、結弦君を見れば「桜のはなびらめっちゃついてる」っと払いのけてくれた



「帰ろ。電車間に合わない」




椅子から立ち上がる時、結弦君が私に手を差し伸べてくれた。
驚きつつもその手を握ると、結弦君はぎゅっと握ってきた。




思わず動きを一瞬止めてしまったが、私も少しだけ強く握り返したあと、ゆっくり立ち上がった。





誰も居ないと知りつつも、公共の場で私たちが手を繋ぐのはこれだけで精一杯だった






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れいなめくじ(プロフ) - 一気見しました!羽生さんの塩っぽさがどストライクです👍更新待ってます! (8月21日 13時) (レス) @page36 id: 9c4354c9f3 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 続きがめちゃくちゃ気になります!キュン死にしてます! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 13dbd6bb00 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 一気読みしちゃいました!続きが気になりすぎます!この作品大好きです。 (2020年12月27日 6時) (レス) id: 54fd485aef (このIDを非表示/違反報告)
星奈子(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!本当に全然更新していなかったのに、未だに読んでくださる方がいて嬉しいです(泣)久しぶりに更新したのでお時間がある時に読んでいただけたらと思います! (2020年1月24日 22時) (レス) id: 5c9a78ef7d (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - 今さらのコメントすみません!続きが気になりすぎて、一気に全部読ませていただきました。どこまでもまっすぐに羽生くんを想う主人公と、素っ気なくもきちんと主人公のことを想う羽生くん...!正直言ってめっちゃ好きです。これからも別の作品拝見させていただきます! (2020年1月4日 2時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星奈子 | 作成日時:2016年6月28日 23時

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