酔っ払い(アツム) ページ4
「俺のモンに、なったらええのに。」
酔っ払ってほのかに赤くなった頬が熱を帯びてもっと赤くなる。
侑さんの少し乱れた髪、とろんとした目、艶のある唇、そして何より、この言葉。
『あ、侑さん??』
「はぁ…。」
憂いを帯びたようなため息。
どうやら私のことをちゃんと認識しきっていないよう。
「お前は、ほんま可愛ええなぁ。」
するっと大きな手が私の少し長い横髪をすくい、
手で弄ぶ。
撫でたり、指でくるくるしたり、最後には軽く口付けを。
私はただ、その行動を眺めていることしかできなかった。
俺のモンになればいい、その言葉を行動で示しているようで、恥ずかしくて、何も口に出すことができない。
ただ恥ずかしさで熱くなった息と、うるさい心臓の音だけ。
「好きや。お前のことが、大好きや。」
髪の毛を持ったままの侑の熱い視線が刺さる。
「返事は?くれんのか?」
酔ってるのか、シラフなのか。
そんなの、返事なんて、聞かなくても。
『私も、好きやで。』
「ふふっ、ほんま?夢やない?」
『夢なわけ、ないやろ。全部現実、夢やない。』
「ほんなら、このまま押し倒してもええか?」
侑さんは返事を待つことなくそっと覆いかぶさってくる。
伸びた前髪をかきあげて、妖艶な笑みを浮かべる。
『侑、さん…//』
「かわええなぁ。ほんま、大好きや………。」
ドサッとそのまま侑さんの体がのしかかる。
寝てしまったのだ。
『………嘘やん。』
寝てしまった侑さんを押しのけて緩く叩いた後、1人で悲しく眠った。
そして次の日起きた侑さんは、
「嘘やん、俺寝たん?手ぇ出さんと寝たん?!嘘や!嘘やと言ってくれ!!!!!」
と嘆きましたとさ。
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作者名:しば犬 | 作成日時:2024年2月26日 17時