体育祭での思わぬ告白(スガ) ページ1
今年で最後の体育祭。
私は次の競技の応援をしようと身構えていた。
「次は借り物競争です。選手の皆さんはゲート下にお並びください。」
いかにも体育祭らしい曲が流れ始め、ぞろぞろと出場選手がならび始める。
「俺さ、あのお題引きたいな〜。」
「ああ、あれだろ?あの、好きな人ってお題引いたやつは告るチャンス貰えるんだっけ?」
「そうそう。」
「てか、お前好きなやつ居んのかよ。」
「うん。2組のあの子、あそこにいるミディアムの子。」
話の内容はお題についてと、私のこと。
まったく知らない人だから聞いていないことにした。
「位置についてください。」
『あれ、菅原くんだ。』
「いいよね〜。爽やかイケメン。」
『そうだね、かっこいい。』
私はひそかに菅原くんに好意を寄せていた。
もし、菅原くんのお題が好きな人で、私を迎えに来たりしたらどれだけ嬉しいか。
「よーいドン!」
みんなが走りだし、50メートル先のお題を取りに行く。
難しい物もあるのか、顔をしかめる人がいた。
一番近くにいた人は、教頭のズラと書かれていたそうで、教頭先生の手を引いて走っていた。
旭くんはやかんだったのか、片手にやかんを持って走っていた。
菅原くんはと言うと、ずっとキョロキョロしていて、一向に動こうとしていない。
私の方を向いたとき、嬉しそうな表情で走ってきた。
「おーい!一緒に走ってくれない?」
『え?私?』
「だべだべ。」
手を差し出してきて握れと言う。
ドキドキしすぎて手汗がすごい私。
服で手を拭いてから、大きくて優しそうな手を握った。
「ちょっととばすべ、ちゃんと着いてきてね。」
『は、はい!』
永遠にこの時間が続いてくれと思ってしまった。
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作者名:しば犬 | 作成日時:2024年2月26日 17時