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迷いこんだ場所 ページ13

「はー、はー、はー」

 ここまで来れば大丈夫だろう。



 後ろ手に扉をしめ、辺りを見回す。


 サファイア宮から出るの、久しぶりかもしれない。
 ここは何の建物だろう。


 人は誰もいなくて、太陽の光が広いのに何もないがらんどうの空間を照らしている。



 私一応姫ではあるし、大概のことは見逃してもらえると思う。



 ちょっと探検しようかな、と思って歩き始めた。



 静かで、ちょっとだけ寂しい雰囲気の場所だ。




 隅の方に飾り棚があったので、中を覗いてみる。
 美術品を飾るようにしてあるので直接触れることはできない。



 だけど。


「なに、これ……」


 画面の割れたスマートフォン。
 日本語で書かれた手帳。
 人気ご当地キャラのキーホルダー。




 私の知っている世界の物だ。
 胸がドキドキ高鳴って、飾り棚に沿いながら歩を進める。




「……寒っ」


 一番奥に大きな扉があった。
 その扉をあけると、凍えそうなほどの冷気が漂ってきた。


 引き返そうか迷ったけど、好奇心の方が強かった。



 部屋の中に入り、白い息を吐き出して……飾られていた物に、言葉を失う。




 巨大な氷、だった。

 その氷の中に銀髪の美しい女性が入っている。

 寝ているように見えて、まるで今にも目を開けそう。



 まるで、私……レティシアがそのまま大きくなったような。
 彼女の手には銀の時計があり、チクタクと時を刻んでいた。



 時の止まった少女と時を刻み続ける時計。


「寝ているのかな……」
「死んでいる」


 そっと氷に触れようとしていた手が、背後から聞こえた声に止まる。


 ギギギ、と音がしそうなほどゆっくり振り返れば。
 氷よりも冷たい目をした王と目が合った。

親子の時間→←二人の会話


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設定タグ:魔王 , 勇者 , 異世界   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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蒼鉛 - れてぃちゃんかあいい (2020年11月20日 21時) (レス) id: 0d8498869d (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(プロフ) - ななさん» ありがとうございます! 更新ゆっくりになるかもですがよろしくお願いします! (2020年4月26日 13時) (レス) id: c7ce3281d5 (このIDを非表示/違反報告)
なな - とっても面白いです!絵も上手ですね〜!夢主ちゃんめっちゃ可愛い!更新頑張ってください! (2020年4月24日 21時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ(プロフ) - 小倉さん» ありがとうございます(*>∇<) (2020年4月22日 12時) (レス) id: c7ce3281d5 (このIDを非表示/違反報告)
小倉(プロフ) - おおお…面白い物語が始まりそう…!こっちも頑張って下さい!(`・ω・´)b (2020年4月22日 12時) (レス) id: 6c749d243c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネロ | 作成日時:2020年4月22日 11時

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