乃木坂の本当のキャプテンは…4

ー ページ43

美彩side

凛「あの、やめてもらえますか？」

凛が怒るのも、無理はない
いつになく、不機嫌なのは記者が私たちをずっとつけてきているから

久しぶりの休み

2人で買い物に来てただけなのに_

記「星野さんは知ってたの？他のメンバーもあんなことしてるの？」

凛「してません、松村だって魔が差しただけです」

記「彼氏の自慢とかされてなかったの？」

凛「そもそも彼氏じゃないですし、話聞いてたら止めます、もういいですか？」

この人の仕事だから仕方ないけど__すごいしつこい

凛「行こ、美彩」

それにしても___凛じゃないみたいに怒ってる

記「待って、待って！星野さんがホステスで働いてたのって本当？」

凛「__」

美「ホステス__？」

そんなこと聞いたことないな
でも、妹の治療費とかいう話はしてたっけ___

記「本当なんだ」

凛「昔のことなんで、今は関係ありません」

記「アイドルがキャバ嬢みたいなことしてたって聞いたら__」

凛「___」

嫌味ったらしい笑みとネチネチした喋り方___
この人、苦手__はっきりいうと嫌い

記「松村さんより荒れるんじゃない？」

美「あの「美彩いいから」でも__」

私が怒りそうになって、そっと止められた
この記者、ターゲットをさゆりんから凛に変えた__

凛「単なるアルバイトですよ？キャバ嬢とかいう言い方したら、ガラ悪そうとか思われるかもしれませんが、普通に接客業です。それに私が働かせてもらってたお店は、富裕層の人しか来なかったので本当にただの接客です」

さっきまでのキリッとした硬い声ではなく、いつもの柔らかい口調で笑いながら話す凛
それでも記者は諦めなかった

記「そのお金で遊んでたの？」

凛「遊びに使ったことなんて、一度もありません__全部、妹の治療費に消えましたし」

記「妹__？」

凛「もういいですよね、それじゃぁ__盛って書かないでくださいよ、記事」

美「わっ、ちょっと__」

語尾だけ強く言い放って、凛は私の腕を掴んで歩き出した

ー→←ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す