乃木坂の本当のキャプテンは…3

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若月side

バスの中でAからメールが来た

“今日…私の家泊まって”

どういう意味かよく分かんなかったけど、
Aがこんなこと言うのはなんか理由があると思って
わかったって送った


A「ごめんね、急に」

若「いいけど…どうしたの？」

A「ちょっと…」

Aの部屋に入ってから、ご飯まで作ってもらっちゃって…
なんか申し訳ないなって思うくらい…

A「なんにも言わないで」

若「え？うん…？…わかった」

A「…これ……言ったほうがいいかな…」

若「！…え…」

Aが見せてきたのは、結構深く切れた腕
長袖着てたのはそのせいか…
って、一瞬冷静に考えたものの…痛々しいそれを見て、唖然とした

A「握手会でね…最後の人に…」

若「大丈夫なの…それ」

A「うん…多分」

曖昧な返事にちょっと不安になったけど、まぁ血は止まってそう…
っていうか？Aがアンチって…

A「今回…アンチ多くて…2部の時は、ほとんどの人アンチだった…」

若「…なんで…」

A「……」

理由が本人に分かるはずもないのに、そう聞いてしまった
だって、Aは握手会でも1番か2番くらいの人気だし…
他のメンバーに比べて、圧倒的にアンチが少ない

若「ごめん…分かんないよね…そんなの…」

A「違うの…」

若「？」

A「全部…仕組まれてた…」

若「え…？…仕組まれてたって…誰に…」

Aはそう言って、携帯の受信画面を見せてきた
送信者は…Aのお母さん…

若「…今日はいつもと違って刺激があったでしょ……なにこれ」

A「…」

若「じゃあ…それも…」

A「…父親の弟に…されて…」

若「！…あの人、警察官じゃ…」

A「…そう」

Aの声はいつになく弱々しかった…
ただでせえ、アンチって怖いのに…

A「…逃しちゃったの…私…拓海さんだってわかったから…」

若「！」

A「…ばかだよね…いくら親戚だって言ってもさ」

自分に置き換えて考えると、怖くなった…

A「……怖かった」

若「…A」

私を呼んだ理由がなんとなくわかった…
奈々未とかみさみさだったら、多分マネージャーにすぐ言うと思うし
まいまいとかまいやんはずっと悩んじゃいそう…
玲香、かずみんあたりは…Aより動揺しそうだし…

って、私も動揺してるけど…

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