乃木坂の本当のキャプテンは…3

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白石side

ドアの前にいつの間にか立っていたのは、前にAと話してた
金髪の綺麗な女の人…
どっかのモデルみたいにスタイルがいい

けど…全身真っ赤
タイトスカートだし…言い方悪いけど、ひと昔前の服っていうか…

Aのお母さん…だよね

恵「あなたに会いたくて来ちゃった」

秋「恵さん…」

真夏の動きが一瞬止まったのに気づいたのはきっと私だけ

A「…」

恵「あの人が殺されたんだって？拓海くんに聞いたわ」

A「そう」

恵「雫もあの人も死んで悲しくないの？よくそんなに笑ってアイドルやってられるわねぇ、A」

嫌味ったらしく笑いながらその人はAに近づいて
Aの顔を覗き込んだ

恵「そんなに怖い顔してちゃ雫に怒られるわよ？これ読んでないの？」

A「なんでそれっ…」

Aのお母さんが手に持っていたのは、便箋
言い方からして、多分Aの妹からの…


真夏side

もう二度と会いたくなかった…この人にだけは…

恵「あれ？なんだ真夏もいたのね？」

秋「…」

A「？…真夏？」

Aにも会わせたくなかったけど…

この感じだと、もう前会ってたのかな

恵「なんで私の子供達は私にそんな冷たい目を向けるのかしら？自分の親なのに」

A「！」

秋「言わないでって言ったのに…」

A「…どういう事？」

恵「ふふっ、口が滑っちゃった」

昔から変わらない
この人はいつもそうだった…

私のことなんて全部後回し
子供の頃は知らなかったけどAが“もう1人の子供”ならそうなるか

まいやんのこともそう…

“私の言いなりにならないとどうなるか分かってるわよね？”

私が反抗すればいつもそう言った
どうなるか…そんなのわからない

わからないから怖い

まいやんには謝りたかった…ずっと
転校してから後悔してた
こんなところで会うなんて、思ってなかったけど




あの人にとっての私たちは実験台


Aのキャラは、“完璧だけど家庭環境に恵まれてないヒロイン”

私は失敗作の見本なんだろう…才能とかなかったからなぁ…


Aはこの感じだと気づいてなかったみたい

私はこの人にずっと指示されて…Aにもまいやんにも…

恵「そうだ、A…あなたの本当の父親知りたい？」

A「いえ、あなたの言うことなんて信じれないですから」

私は知ってる…Aの親は拓海さんじゃない

A、まいやん…本当にごめん…こんなことしたくない

私はずっと誰かに気づいてほしかった

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