乃木坂の本当のキャプテンは…2

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奈々未side

Aがいない

そんなの初めてで、みんな不安げだった

玲「み、みんな…あのさ、Aが休みなの…なんでか聞いてない？」

玲香がライブ前以上にあたふたしてるのを見ると、なぜか逆に落ち着いていく。

“誰と話してる⁉”

あの声は多分、Aのお父さん…
まさか…いや、そんなわけないか

『ガチャンッ』

勢いよく開いて、しまった扉。
入ってきた人の姿。
それを見てみんな一瞬、黙った。

「…A」

誰かが小さくそう名前を呼んだ

A「…ごめんね…遅れちゃって…」

いつもより弱々しい笑顔で答えたその子の腕からは赤い液体が
流れていて、ポタポタと床に落ちていく

「「…っ…！」」

それが血だと気づくのが遅れる

美「ど…ど、どうしたの⁉」

A「まぁ…色々あって」

美彩が駆け寄るのをスルリとかわして、
いつもの自分の場所…私の向かい側に荷物を置いた

A「あと30分くらいかな…始まるの」

それに応える声はなくて、みんな固まったまま
あまりにも普段通りすぎるから…

でも私は黙っていられなかった…

奈「色々って……いつもそうやって…誤魔化さないでよ！」

Aを見ていたみんなの目が一気に私に向く
普段、怒鳴ったりなんかしないから

A「…落ち着いてよ、奈々未」

奈「落ち着けるわけないでしょ⁉」

A「……話すからさ…落ち着いて？」

奈「っ…」

A「なんで泣くの？」

腕に巻いたタオルが、だんだんと赤く染まる。
いつの間にか泣いていた。
頰を伝って涙が落ちる。

Aは、悲しそうに…それでも笑顔で、何があったのか話す

なんで…この子はこんなに抱え込んでしまうんだろう。

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ラッキーメンバー

深川麻衣

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