乃木坂の本当のキャプテンは…

凛とまいまい ページ38

深川side

披露が終わってみんな控え室に戻ってきたのにAがいない…
ちょっと遅れてるだけかもしれないけど、なんか嫌な予感がして私は部屋を飛び出した

とりあえず走りまわってたら、Aの声が聞こえて咄嗟に物陰に隠れる
私、今日隠れてばっかりだなぁ…なんて思いながら…笑
でもそんなこと考えてられないくらい、Aの声が今までに聞いたことない棘のある声だけど…

A「…関係ないでしょ？」

？「お前は金がなかったからアイドルになったんだ…もう稼ぐ必要はないだろ？だったら、アイド ， ルなんかやめて…」

A「あんたに口出しされる筋合いないから」

？「待ってくれ‼」

A「っ…離して」

なんか危なそうな雰囲気…でも私が出て行ったら
もっと大変なことになりそうだし…どうしよう

腕を掴まれて、男の人を睨み返してるA
度胸ありすぎ…私、ここから見てても怖いのに
あの人誰だろ
心なしかAに似てるような気がする

？「頼む…もうこんな関係やめよう」

A「こうなったのは、全部あんたが原因でしょう？私はどんな顔をしてあんたの再婚相手に会え
ばいいわけ？笑顔で今日からお願いします、お母さんって言えばいいの？」

再婚相手ってことはあの男の人は…Aのお父さん

父「それは…」

A「何度も言うけどほっといと…私はもうあんたの娘じゃ…」

『パンッ』

A「っ」

深「！…A‼」

A「⁉…まいまい」

Aが思いっきり叩かれたから飛び出しちゃったけど…
ど…どうしよっ…

深「だ、大丈夫？」

A「…」

父「…」

この無言…辛い

父「悪い…今日は帰るよ」

A「もう来ないで」

父「…」

お父さん…すごい悲しそうだった…
ちらっとAを見ると、赤くなった頬を押さえて遠ざかっていくお父さんを睨んでる
美人だから、迫力が倍に…

深「…り、A？」

A「いつからいたの」

深「えっ、と…関係ない…ってとこくらいから…」

A「ほとんど最初っからじゃん」

深「…ごめん」

いつものAじゃない…
さっきのステージのAじゃない…円陣組んで笑ってたAじゃない
オーラが怖かった。
いつも目を見て話してくれるのに、今はこっちを見向きもしない。

A「なんで…？」

深「…え？」

A「なんで来たの？」

深「Aが心配だったから…」

A「心配？私を？…ははっ」

乾いた笑い声
Aはどっちが本当のAなの？

続きます

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