乃木坂の本当のキャプテンは…

事実…迷い、そして恐れ ページ33

Aside

わかってた。知って
でも、ずっと目をそらしてた。

『私…1ヶ月生きれたらいい方だって』

涙まじりの電話を聞いたのは、レッスン終わり
短く返事をして、電話を切る。
入院してから、毎日行ってた病室に今日は行けない。
だって、笑えないから

レッスン場から賑やかな声が聞こえてくる。
ドアの向こうからの声がやけに遠く感じた。
みんなの前では、笑ってなきゃいけない。
深呼吸してから、部屋に入った。

「A〜誰から？」

「地元の友達から、旅行行ってきたからお土産送ってくれるみたい」

スラスラと出てくる嘘…吐き慣れてしまった嘘
私…いつもみんなを騙してる
きっと、これからも言えない

私の精一杯の作り笑いで、誤魔化す。
なんで、こんな笑顔だけうまくなったんだろ…私は
誰かに相談したいけど、話すことが恐い。

信じてるはず、仲がいいはずなのに、

私は本心を見せられない










私…みんなが思ってるほど強くないよ









妹がいなくなるのが、心底……恐い









なんで私じゃないの？

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