イグニハイド寮に猫の獣人が入ったらしい。【ツイステ】【男主】

39話 ひとりぼっちの猫 ページ45

※シリアス注意

ルシアン幼少期(？)side

『…パパ…ママ……どこ…？』



周りにはだれもいない。


やさしくなでてくれるあの手が、

僕のことを見てくれる僕と同じ色の目が、

あったかくて、だれよりも大好きな背中が、


いない。




かくれんぼじゃない。だってやってないもん。


…なんとなく、わかったよ。

パパと、ママ……




お空のお星様になったんだ。

…ママが、言ってた。僕達の種族は…お空のお星様になる前に、仲良しの人の前から、姿を消すんだ……って。


そういうこと、でしょ…？

ねぇ、パパ、ママ……返事してよ。




『…お空のお星様に、なった、なんて……いやだ、やだよ……置いて、行かないでよ…』

…だって、やりたいこと…まだたくさん、あるのに。

計画だって、たくさん立てたんだ……


全部、全部……だいなしじゃ、ないか…



僕が、ひとりぼっちになる……なんて…








そんなの、計画に、ないよ…




「君が…ルシアン・ティルクアーズくんかい？」

『……おじさん、だれ…？』

「俺はレフコー・ディアヴォロス。しがない魔法士さ。君のお父さんと知り合いでね。…君と家族になりに来た。」

『…僕の家族は……パパと、ママだけ。…パパと、ママ……どこやっちゃった、の。』

「……これは、君の両親のだろう？」

……！

ママが、いつもつけてた……指輪。
パパもつけてたっけ。

とっても大事に、してた。

「預かっていた。…ルシアン、君の両親……お父さんとお母さんを覚えていられるのは俺と君だ。…忘れないように…共にいても、いいかな？」

『……う"んっ…！！…パパ、ママ……ううっ……うわぁぁぁああああああああんっ！！！』


……僕のパパと、ママは……僕が、わすれない。

ずっと覚えてなきゃ。


この人と、家族になって……





今度は、もっと…ちゃんと……計画、して。






無計画なことが、起きないように。

「さあ、行こうかルシアン。いや…愛称を付けよう。…ルシー。うん、そっちの方が親しみがあっていい。ルシー、俺と手をつなごう。」

『……うん。…レフコー、おじさん。』

「おじさんじゃなくて、父さんとでも呼んでくれ。パパとママとは呼び方違うし、わけられるだろう。」

『……父…………さん。』

「うん、それでいい。行こう、俺の息子よ。」




これが、“父さん”との、出会い。

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