【〃】声 ページ11
天乃 絵斗 side
俺はもう一度眠りにつくことにした。
だが、先程と同じ辺り一面真っ暗な場所に来ている。ということは、もう一度黒い床に飛び込めば、らっだぁのいるあの小学校に行けるんじゃないか、そう思った時。
どこからか、すすり泣く声が聞こえた。それと共に黒い床が波打っている。誰かいる…？
俺は恐怖心を持ちつつも、勇気を振り絞り、口を開いた。
「誰かぁー！いますかぁー！！」
真っ暗闇の中、俺の声が辺りに反響した。そのとき、
「ぺいんと？」
声が返ってきた。
あの人だった。
大好きな、あの人の声だった。
ずっと謝りたかった、ずっと会いたかった、
Aの声がした。
「A！！！」
「そうだよ！！俺ぺいんと！！！」
「ずっとずっと、謝りたかったんだ！！！Aに！！！」
「ホントにいるんだね、ぺいんと！！」
「今、どこにいる、A！俺、信じてくれるかわかんないけど、この場所から動くと何故か床に飲み込まれていって！！動くことが出来ないんだ！！」
と、俺が言うと、どうやらAは床に落ちることは無いようなので、Aから見つけて貰うことになった。俺の声を頼りに、見つけに来てくれるらしいが、Aに会えることが本当に嬉しすぎる。
俺を探している間、沈黙なんて嫌だったため、俺から話を切り出し、お互いの最近の話をしあった。
Aは仲の良い友人が出来たこと。面白い先生がいること。親の様子は、俺たちといたとき、中学生のときのように変わらず悪いままだということ。
次に俺が話す番になり、初めに謝った。心の底から。何故、あのような状態になってしまったか、事情を話した。そこで、現実で出会った化け物が、夢にまで出てきて、悪夢を見せてくること。俺だけじゃなく、しにがみたちの夢にも出てきているということ、全てを説明した。
Aは、疑いもせず、俺の話を信じてくれた。
そして何より、Aは酷いことをした俺たちを許してくれるなんて、やっぱり中学の時から変わってない。優しくて、明るくて、大好きなAのままだった。
早く会いたい。
「そうだ、Aは、何で泣いてたの？」
ふと、思った。
そして、彼女は言った。
「そうだっ！"猿山先生"がねっ！！」
「この、黒い床に落ちていって、助けようと必死に引っ張ったんだけど、結局助けることが出来なくて！しかも、その時の"猿山先生"、私のこと、誰かわかってないみたいだったの！！」
続く
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みなもち(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます！本当にめちゃくちゃ面白いです！！ (7月3日 0時) (
レス) @page10 id: 422edee945 (このIDを非表示/違反報告)
紙袋執事 - やっと更新出来ました。遅くなり、本当に申し訳ありません。 (2022年6月20日 1時) (レス) id: cc051e5f63 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 続きが楽しみです！頑張ってください(^^ゞ (2022年2月16日 2時) (レス) @page5 id: 0634fc6b20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紙袋執事 | 作成日時：2022年2月6日 19時
