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目黒side
騒がしい空気が消え去った薄暗い部屋で、
震えた声とは裏腹に、強がった瞳で。
なぁお前、
それどこで覚えてきた？
.
拭っても消えない独特のその香りに、
やっぱりこのままじゃ家に帰せなくなって
適当に理由をつけて親を躱したらしい
ラウールを家に入れたのは真夜中で。
慣れたようにそこのベッドに
飛び込んだそいつを見下げながら、
敢えて電気を点けなかったのは
その金色が夜に溶け込んで綺麗だったから。
「──バレなかったでしょ？」
荷物を脇に置いてその横に座れば、
ラウがシャツのボタンを一つ外して
薄くなったその跡を俺に見せた。
俺いい子にしてたから！なんて、
…お前それ、わざとやってんの？
目「だからやめろって」
これ以上俺を誑かすなって、
昏い夜に染まった空間だから余計に。
「これ、いつ消えるの？」
その顔が俺を見上げることは無い。
ただ耳に届く凛とした落ち着いた声が、
嫌にこいつの本音を映し出すみたいに。
…消えて欲しくない、とか、そんな澄んだ瞳で。
目「──消える前に、また俺がつける。」
冷淡な声でそう答えたら、
ラウールがハッと息を呑んで顔を上げた。
.
白いシャツから透ける若い肌に、
思わず手を伸ばせば妖艶な金髪が揺れる。
「…なんで、それ、」
月が照らすその綺麗な姿に惹き付けられて、
揺れる瞳の答えは、もう知っている。
目「…俺のこと好き？」
もう何度目か、掴んだ手首に力がこもる。
お前が見た幻想は、夢でも何でもない。
白いシーツに沈む身体に月光が差して、
眩しそうに目を細めたラウールが
迷うことも無くそれにこくりと頷いた。
───ん、良い子。
不意に小さく溢れた笑みは、
その想いが対等に重なったから。
耳に残る甘い吐息はそのまま、
愛してる、と声を降らせば嬉しそうに。
「…俺も」
.
" 愛してる。"
委ねられた身体と澄んだ綺麗な瞳が、
漂う感覚全部をすくって夜を穿った。
.
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Jasper(プロフ) - chirolさん» chirol様、勿体ないぐらいの素敵なお言葉、本当にありがとうございます(泣)私の拙い文章を愛して下さる方が1人でもいてくださるだけで、本当に心が救われます…。また気まぐれに新しいお話を書いた際にはぜひ、気軽に遊びに来て頂けたら嬉しいですm(´･ ･`)m (2021年9月15日 0時) (
レス) id: db6e7a06b3 (このIDを非表示/違反報告)
chirol(プロフ) - Jasperさんのmmruを愛してやまない者です。前回から旅行編を楽しみにしており、素敵な癒しの時間でした。幸せホルモンが爆発するのはこういう事ですね。ありがとうございます！季節はち変わりましたが、またJasperさんのmmru作品にお会い出来るのを楽しみにしてます！ (2021年9月14日 13時) (レス) id: bc801c9a01 (このIDを非表示/違反報告)
Jasper(プロフ) - ゑさん» 大丈夫ですよ〜！(笑)引き続きお楽しみ頂ければ嬉しいです(^^♪ (2021年8月13日 1時) (レス) id: db6e7a06b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゑ(プロフ) - Jasperさん» いえいえ！！そんな罪悪感なんて感じないでください笑 すごく幸せで快眠でした…幸 (2021年8月13日 0時) (レス) id: 7b222a0e4e (このIDを非表示/違反報告)
Jasper(プロフ) - ゑさん» なんと！(笑)なんか、申し訳ないです…(謎の罪悪感)でも、それだけご愛読して頂けてるなんて凄く嬉しいです！ありがとうございます(>_<) (2021年8月12日 16時) (レス) id: 61c405a2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Jasper
| 作成日時：2021年8月2日 0時
