LUNA -mmru- 《番外編》

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ラウールside





不意に形の整ったそれに目がいって、
でも見られたまんまじゃ恥ずかしいから…





俺の赤い顔も見られないように、なんて





きっと、意味ないね。





だから一瞬だけ。





.





そっと唇を離せばまだ残る甘い余韻に、

伏せられたその目が開いて
何も映さないような瞳が俺を見据えた。





目「…なんで？」





無造作にかかる綺麗な黒髪の隙間から覗く
真っ黒い瞳は、俺を捉えたまま

逃がさないとでも言うように力強く、
それは少しも揺らがない。





孤高に生きる獣みたいなそれが
綺麗だなとか、こんな時ですら俺は。





「したくなった」





めめが前に、したいと思った時にするって、
だから俺も…だって、もう18歳だし。





目「…生意気」





冷たい声で短く呟いた後で、
視線も逸らさずにめめがニヤリと笑った。





目「それやっていいの、俺だけだから。」





.





なんて自分勝手な、でも文句を言えば
すぐに言い負かされそうな強気な瞳に、

圧されて怯んだ会話の間が悔しい。





「…やだ、俺もやる」





目「だめ。キャラがブレる」





いや、キャラとか今更そんな。





「恋人は対等じゃないとダメなんだよ？」





目「男と女ならな」





えっ、そうなの？





目「恋愛偏差値赤ちゃんなお前にはまだ早いの。」





頭が追いつかなくなってポカンとする俺に、
めめは「ほら、」と呆れたような顔で。





目「そうやって俺の言うことすぐ信じるとこ、」





え、なに分かんない…





やっぱり今の、俺を試しただけ？





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