Butterfly -tkin- 《1》 (ページ10)

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慧side

大｢伊野ちゃん！
保健室行ってたんだって？

俺それさっき知ってさ、
見に行こうと思ったんだけど

次の授業始まりそうだったから
行けなかったんだよね、｣

ごめん伊野尾ちゃん！

そう手を合わせて
申し訳なさそうな顔してる大ちゃん。

でも──今回ばかりは
大ちゃんが来なくて良かったと思ってしまった。

慧｢大丈夫だよ、逆に心配かけてごめん｣

そう返して席に着くと、
ガラリと教室のドアが開いて
担当の先生が入ってきた。

大｢はっ、！

まさか次は現社じゃなくて現文──？｣

そして大ちゃんはいつも通り、
違う教科書を持ってきたらしい。

慧｢ばーか、｣

想定外の国語総合の先生の登場に
サァ──と青ざめる大ちゃんに、
やれやれと首を振った。

.

雄也side

宏｢雄也、なんで遅れたんだよ？｣

光｢あんだけ体育のときは
すぐ帰ってくる！って言ってたのにさ｣

遅れて入った体育館で、
体操服に着替えた光くんと薮くんは
不思議そうな顔をして。

宏｢もしかして、思いのほか
熟睡しちゃって起きれなかったとか？｣

雄｢うん、まぁ──｣

俺なんてもう欠課だらけだし
もういいやって。

相手が伊野尾くんだったから、
そう思えてしまったのかもしれない。

雄｢そんな感じ。｣

" 相変わらずバカだよなぁ " なんて
光くんに言われちゃもう俺終わりかもね笑

.