Butterfly -tkin- 《1》 (ページ42)

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慧side

よく見れば割とイケメンだし、
なによりさりげない気遣いが
いちいち優しいから…

だから、高木が悪いんだ。

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｢やっぱりピッタリね！｣

夏祭り当日。

朝から知念を家に招いた母さんが、
どこから発掘してきたのか

俺のガキの頃に着てた薄桃色の浴衣を
知念に着せていて。

侑｢どお？似合うー？｣

本人もかなり乗り気なのか、
ニコニコ可愛い顔して大人をたぶらかす。

｢まだ浴衣買って貰ってないのー｣と
いつか家に来てそうボヤいた知念に、

｢慧のがあるからそれ貸してあげようか！｣
と言い出したのは母さんの方で。

｢とっても似合ってるわよ！
さ、侑李くんこっち向いて｣

今度はパシャパシャと
親バカみたいに写真を撮り始めた。

…あなたの可愛い実の息子は、
そっちじゃなくてこっちですよー。

そう心の中で呟いても、
もちろんそれが伝わるわけもなく。

まぁいっか、と冷たいお茶を片手に
ソファに座り込んだ時、

外からバカでかい声が聞こえた。

大｢伊野尾ちゃ──ん！｣

大ちゃんめ、近所迷惑だって…

ガチャリと玄関を乱暴に開ければ、
そこには浴衣姿の大ちゃんと

知念を誘いに来たのか
その隣で耳を塞いでる山田が居て。

慧｢もうちょいボリューム下げろって
いつも言ってるでしょ！｣

ごめんな山田、と大ちゃんの代わりに
山田の頭をポンポンと撫でてやった。

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