Butterfly -tkin- 《1》 (ページ39)

今日:13 hit、昨日:4 hit、合計:138,411 hit

39 ページ39

雄也side

.

雄｢…あま、｣

裕｢でしょ？めっちゃ糖度高いんだって｣

裕翔をうちに招いて、
おばさんに切り分けてもらった
スイカに二人してかぶりつく。

裕｢夏休みにスイカ食べるなんて、
ありきたりで面白いね笑｣

雄｢な、笑｣

こんなとき、俺にも弟が居たら
毎日こんなことが出来たのかなぁ、
なんて思ってしまう。

──ブー、ブー…

振動する携帯の画面に触れれば、
グループLINEに次々と
メッセージが表示されていた。

光『俺はいけるぜー』

大『俺も！』

慧『俺もいけるよ』

…みんな集合してんじゃん。

裕｢たかっくんも、今度の夏祭り行くの？｣

雄｢うわっ、｣

いきなり画面を覗き込んできた裕翔が、
そのまま俺に顔を近づけて言う。

近いし、相変わらず顔整ってるし…

雄｢…たぶん。

裕翔は？｣

LINEに『俺も』と打ちながら、
裕翔に聞き返す。

裕｢もちろん行くよ！

同じクラスの友達と3人で｣

雄｢へぇ、じゃあ俺らと会うかもね笑｣

裕｢でも会場結構広いよ？海もあるし｣

そう、わいわい人が集まる所が
言うほど好きじゃない俺が行くのは
その海の為と言っても過言ではない。

毎年会場の近くの海で、
大量の花火が打ち上げられて、
砂浜がキラキラ反射して光るんだ。

大好きな海が、夜に輝くなんて
なかなか見れるもんじゃないでしょ。

.