Butterfly -tkin- 《1》 (ページ19)

今日:12 hit、昨日:4 hit、合計:138,410 hit

19 ページ19

慧side

知念とは家族ぐるみで仲良くて、
こんな風に知念が家に遊びに来るのも
もはや当たり前のことで。

うちの母親なんて、実の息子のように
知念をあれやこれやと可愛がっている。

｢あ、おかえり慧。

侑李くん来てるから相手してあげなさいよ｣

侑｢えー？僕が伊野ちゃんの相手
しにきてあげたんですよ～｣

母さんにそんな言葉まで返しちゃって、
この子もだいぶ遠慮がなくなったもんだ。

慧｢別に相手なんか求めてないけど…｣

侑｢それよりさっきの何？

" そっち側 " の子って…｣

慧｢あぁもうなんでもない！

そして母さんの前ではそれを言うな｣

侑｢えーなんでー？｣

口をとがらせる知念の腕を引いて、
2階の自分の部屋に連れていく。

ほんと、こいつは俺をからかってんだか
本当に心が純粋なだけなのか。

───パタン。

慧｢はぁ、｣

部屋のドアを閉めてカバンを下ろせば、
知念は俺のベッドにダイブしてる。

侑｢ね、ここでバク転してい？｣

慧｢だーめ。あとホコリが舞うから
ベッドの上で飛び跳ねるな知念｣

侑｢僕を連れてきたのは伊野ちゃんでしょ｣

うん、君が余計なことを口走るからね。

俺が制服から着替え始めれば、
｢ちぇ、つまんなーい｣と
今度はベッドに寝転んで、

3分も経てば寝始めやがったから
兄気分の優しさで、そっと布団をかけてやった。

.