Butterfly -tkin- 《1》 (ページ16)

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慧side

雄｢だから、最初からサボるつもりだったんだから
別にいいんだって。｣

宏｢え？お前寝すぎて遅れたんじゃ…｣

雄｢あーもう、うるさい。

とにかく、伊野尾くんは大変だったんだから
俺のことは何も気にしなくていいの！｣

背の高い友達の言葉を遮って、
高木はまた同じ嘘をついた。

会ったばっかの人をかばって
自分の成績削るなんて、
高木はほんと、切ないぐらいのお人好し。

光｢ちょっと待って、
あの、とりあえず状況説明を…｣

慧｢俺が今朝、足やっちゃって
保健室から教室まで、
高木が送ってくれたんです｣

雄｢あぁ、余計なことを…｣

宏｢雄也、俺らに黙って
そんなことしてたのか笑｣

光｢それで体育遅れてきたんだ。
おかしいと思ったもん。

運動しか出来ないお前がさ、｣

雄｢ねぇそれ遠回しに勉強出来ないって
ディスってる？｣

光｢まさかー、｣

ワイワイ、ほんとに3人仲良さそうで
高木が本当は優しい奴だってことも、
この二人を見ればすぐに分かった。

大｢…なんだ、本当に良い人じゃん｣

隣で大ちゃんがボソリと呟く。

慧｢だから言ったでしょ、
たかぎが助けてくれたんだって。｣

大｢ふふ、｣

大ちゃんはすっかり不安気な目を変えて、
少年みたいに笑って。

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