Butterfly -tkin- 《1》 (ページ21)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:138,493 hit

21 ページ21

雄也side

裕翔は隣に住む中学生で、
朝、顔を合わせることも多かったからか
いつの間にか彼を下の名前で呼ぶほど、

そう、裕翔はなんか、
頼りになる弟みたいな存在になっていて。

.

一度家を出てすぐ隣の『中島』の表札の
インターホンを押せば、

すぐにそれはガチャリと開いて
ちょこんと裕翔が顔を出す。

裕｢わ、高木くんどうしたの？｣

前から思ってたけど
こいつ何気に顔面整ってんな…。

グイッと近づいた距離に、
思わず少しだけ後ずさり。

雄｢いや、外にまだ服干してあったから。
びしょ濡れになる前に
入れた方がいいんじゃないかなーと｣

裕｢あ、ほんとだ雨降ってる！｣

イヤホンしてたから気づかなかった！って

途端に少年みたいに走って部屋に戻って、
またすぐにこっちに戻ってくる裕翔。

裕｢今お母さん家に居なかったから
もし入れてなかったら怒られてたかも笑｣

" わざわざ教えてくれて
ありがとう高木くん！ "

すっごい可愛い顔して笑ってるけど、

やっぱり若干変な気もするな、
その｢高木くん｣呼び。

まぁ裕翔がそう呼び始めたんだし、
最近は｢たかっくん｣に進化を遂げたし…

別に訂正する程のことでもないか。

裕｢そうだたかっくん！

俺、この前学校で撮った写真が
コンクールで入賞したの！｣

" 部屋にその写真あるから見にきてよ！"

雄｢うわっ、｣

今度はいきなり腕を掴まれて。

洗濯物だけじゃなくて
俺まで家に放り込むのかよ、って

…そんな裕翔の強引さに、
俺は助けられてきたのかもな。

.