Butterfly -tkin- 《1》 (ページ1)

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何も言わないで、ただ僕に笑いかけて。

今でも信じられないほど
全部全部、それはまるで嘘みたいに
ただ楽しいだけの日々だった。

なのに君は、まるで蝶のように

触れてしまえば、ふわりと翔んで
消えてしまいそうで

ただそれだけが、怖かった。

雄也side

HR始まりのチャイムの音を聞いたのは、
校門に足を踏み入れる数歩前。

雄｢くそっ…｣

あぁまた今日も間に合わなかった。

家の時計が遅れてるのか、
俺が家を出るのが遅かったのか、

…たぶん後の方なんだろうけど。

週の半分は遅刻する俺には
若干焦っただけでも大きな進歩だ。

最初の頃なんて学校は遅刻するもんだと
思ってたぐらい堂々としていたぐらいだし。

でも中学と違って面倒くさいのは、
遅刻した人は｢入室カード｣とかなんとかいう

許可証を職員室まで取りにいかないと
教室にすら入れてもらえないということ。

もちろん俺は既に、それを渡す先生に
顔を覚えられてしまっている。

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宏｢はは、雄也今日も遅刻か｣

光｢もはや清々しいな笑｣

" 1年2組 "

職員室を経てようやく教室に辿り着くと、
いつもみたいに薮くんと光くんが
俺を茶化しにやってきた。

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