検索窓
今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:81,415 hit

37 ページ37

雄也side





ねぇ伊野尾くん、俺やっと分かったよ、
手を繋ぐとどうして温かくなるのか。





寒い冬の夜でも、雪が舞ってても、
大好きな人と手を繋げば自然と心が温まる。





俺がそのとき温かいと感じたのは、それぐらい
伊野尾くんを好きになっていたからだ。





そんなくだらない事に感動して、
きっとまたお前は馬鹿だって
伊野尾くんは笑うんだろうけど

それでももういいや、って思えるの





慧「いいよ、それが俺が好きな高木だから。」





たぶん伊野尾くんだけだ。





雄「伊野尾くん、あの日
ほんとはまだ寝てなかったんでしょ?」





慧「…なんの話?」





雄「とぼけるんだ」





慧「あっそろそろメイクいかなきゃ」





下手くそな演技までして、また逃げちゃって。





照れくさいから頷いてはくれないけど、
その手は俺の手首を掴んでる。





慧「たかぎも、いこ?」





もういいや、伊野尾くんの可愛さに免じて
今回は許してあげよう。





雄「はいはい、」





もし本当にそれを聞いていたなら、
伊野尾くんは俺が知らない本心も
気づいてしまっているのかもしれない。





それを敢えて口にはしないでヘラヘラ笑うの
それが伊野尾くんの通常運転なんだ。





ごめんね伊野尾くん、いつもありがとう。





もう春の匂いがする草木の間を通る風に、
そこの窓が小さく揺れて

俺は伊野尾くんの手をそっと握り返す。





──また心が、ぎゅっと温かくなった。








____うみ と ゆき fin.____

作者→←36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (114 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
256人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Jasper | 作成日時:2019年3月15日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。