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雄也side
ねぇ伊野尾くん、俺やっと分かったよ、
手を繋ぐとどうして温かくなるのか。
寒い冬の夜でも、雪が舞ってても、
大好きな人と手を繋げば自然と心が温まる。
俺がそのとき温かいと感じたのは、それぐらい
伊野尾くんを好きになっていたからだ。
そんなくだらない事に感動して、
きっとまたお前は馬鹿だって
伊野尾くんは笑うんだろうけど
それでももういいや、って思えるの
慧「いいよ、それが俺が好きな高木だから。」
たぶん伊野尾くんだけだ。
雄「伊野尾くん、あの日
ほんとはまだ寝てなかったんでしょ?」
慧「…なんの話?」
雄「とぼけるんだ」
慧「あっそろそろメイクいかなきゃ」
下手くそな演技までして、また逃げちゃって。
照れくさいから頷いてはくれないけど、
その手は俺の手首を掴んでる。
慧「たかぎも、いこ?」
もういいや、伊野尾くんの可愛さに免じて
今回は許してあげよう。
雄「はいはい、」
もし本当にそれを聞いていたなら、
伊野尾くんは俺が知らない本心も
気づいてしまっているのかもしれない。
それを敢えて口にはしないでヘラヘラ笑うの
それが伊野尾くんの通常運転なんだ。
ごめんね伊野尾くん、いつもありがとう。
もう春の匂いがする草木の間を通る風に、
そこの窓が小さく揺れて
俺は伊野尾くんの手をそっと握り返す。
──また心が、ぎゅっと温かくなった。
____うみ と ゆき fin.____
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作者名:Jasper | 作成日時:2019年3月15日 13時