うみとゆき -tkin- (ページ29)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:81,537 hit

29 ページ29

雄也side

.

｢おつかれー、｣

その日のライブも大盛り上がりで終わって、
すっかり日の暮れた頃。

俺の花火をしたい、という小さな夢を
覚えていたらしい有岡くんが
メンバーを夜の外に誘ってくれた。

けど実際は「もう歳でそんな元気はない」
とホテルへ戻って行ったやぶひかと

｢部屋で昨日の続きのゲームをしたい｣
と仲良く帰っていったやまちねのせいで

ついてきたのは裕翔と伊野尾くんだけ。

熟年夫婦とミニサイズのカップルが
本当にその理由で戻ったのかは不明だけど、
まぁその方が伊野尾くん独り占めできるし

って俺は一体なに考えてるんだ…。

.

慧｢──やっぱりここなんだね、｣

3人を引き連れてやってきた海で、
隣の伊野尾くんが小さく呟く。

雄｢花火と言えば海でしょ｣

大｢海って無条件にテンション上がるよねっ｣

裕｢…よかったね高木くん、
ここにも仲間がいるみたいだよ｣

何気に有岡くんも楽しみにしてたのか、
5歳児のようにぴょんぴょん跳ねだして。

だよね、だよねっ！と隣ではしゃいだら、
伊野尾くんに白い目を向けられた。

.