45 ページ46
大貴side
大「あ、はい、そこまでお願いします」
眠そうな伊野ちゃんと一緒に
なんとか無事にタクシーに乗り込んで
運転手に伝えた行き先は
俺の家じゃなく伊野ちゃんの家の近く。
そりゃこんなの予定外だけど、
こんな綺麗な顔した人
一人きりで帰らせるのなんか不安だったし。
大「伊野ちゃん、ちゃんと風呂入ってから
寝るんだよー?」
慧「…わかってるよぉ、」
んな事言って半分寝てんじゃん…
大「はぁ、まったく伊野ちゃんは…」
頭よくてしっかりしてるクセに
こうやってすぐ寝ちゃうとこは本当子供みたい。
大「…」
左肩に寄っかかった伊野ちゃんの寝顔を
そっと見下げれば、それは相変わらずで
ぷっくりした唇をツンとつついてみたら、
ふわふわの茶色い頭がピクリと動いた。
ふふ、本当に可愛い顔してるな、この人。
大「──高木ばっかりじゃずるいよ?
伊野尾ちゃん」
たまにはこんな風に、俺とも遊んでねって
きっともう聞こえてないんだろうけど。
そんな事ももういいや!って思えるのは
この人とあの人に似通ってる内面があるからだ。
ふと窓の外に目を向けると、
見えたのは都会の眠らない夜の空で
それとは裏腹に静かに浮かぶ月。
それだけなのに、なんか
心にじんわり優しい気持ちが滲んだんだ。
隣で眠る大好きな人に、
大切な8人の仲間を思い出したから。
.
256人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Jasper | 作成日時:2019年3月15日 13時