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光side
"ちょっと来て"と薮に手を引かれて、
連れてこられたのは近くの並木道。
光「暗くてあんまり見えないんだけど」
もうすっかり日も暮れて、
空には月がぽっかりと浮かんでるだけ。
宏「もうすぐ、明るくなるから」
光「え?」
そう聞き返して薮を見たら、
優しそうな目をして列なる木々を見つめた。
宏「…ほら、」
光「!」
時計をちらちらと確認してたのは
このことだったのか。
手前から奥へ、木に吊るされたライトが
波のように一気に光り輝いた。
光「…イルミネーションか。」
宏「そ、ひかる見たいって言ってたから」
まるで自分が魔法でつけたみたいな
顔してる薮が、なんだか凄く愛しくて。
光「なんだよ、こんなことしてんの
……俺たちカップルみたいじゃん」
ぼそっと小さく呟けば。
宏「ははっ、俺はそれでもいいけど」
光「俺は嫌だね!」
返ってきた言葉があまりにも意図してない
みたいで悔しくて、俺はまた嘘をついた。
でも、そんなの見え見えなんだよって
俺の心見透かしたみたいに薮は笑うから。
光「…バレてんの」
宏「分かっちゃうの。」
光「ははっもう降参だわ」
その声が、淡い色のライトに
吸い込まれて消えた。
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作者名:Jasper | 作成日時:2019年3月15日 13時