DROP -mmru- 《番外編》

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目黒side





さすがにやばいとは思ってた。





前に1本のドラマとツアーが重なっただけで
潰れた俺が、一気にこんなに沢山の仕事を頂いて





もちろんそのどれかを妥協するつもりなんて
更々無いし、逃げ出そうとも思わないけど

強気な心とは裏腹に、身体は正直で。





自分の限界は自分で把握してるから、なんて
くだらない過信をボサいておいて、

結局気付いた時にはまた、
大好きなメンバー達に迷惑かけてんだ。





.





ぼんやりと意識が浮上する。





薄らと目を開ければツンと鼻を刺す
消毒の匂いと視界に広がる真っ白い天井に、

あぁ、俺リハの途中で倒れたんだっけ、なんて。





目「───ん、」





腕を動かそうとしてふと感じた違和感に、
嫌な予感がして静かに視線を向ければ
なんかご丁寧に点滴まで刺さってるし。





あんまりちゃんと覚えてないけど、
誰かが俺をここまで運んでくれたんだろうか。





ぼやけた思考と途切れた記憶の先、

俺はようやく、ベッドに突っ伏して眠る
茶色がかった黒髪の存在に気付いた。





目「───ラウ、？」





なんで、お前が。





なんとか上半身を起こして見えたのは、

ふわりとたなびく柔らかそうな髪と
もう見慣れた彫りの深い綺麗な横顔。





目「…あぁ、」





そうだ、俺…





あの時、ラウールの上に倒れ込んで──





目「ごめん、」





痛かった、よな。





不意に意識が途切れる直前に見た
ラウの戸惑ったような顔を思い出して、

ハッと我に返れば、見下げたその子の
白くて柔らかそうな肌には泣いた跡があって。





目「…俺、またお前のこと泣かせたの？」





無意識に伸ばした指の先、

長い睫毛を濡らすそれを優しく拭えば、
伏せられたラウの目がゆっくりと開いた。





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