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目黒side
なんとなく、このままじゃ
寝れないと思って軽く浴びたシャワー。
なんでも真似したがるお子ちゃまなラウは、
" 俺も!" なんてご機嫌に俺の後に続いて
お前、平気な顔して俺の前で服脱ぐなよ。
.
生憎いくら叱ってもガードが緩い彼は
呑気に髪を濡らしたまま帰ってきて、
高そうなバスローブを下手くそに着たまま
ヨタヨタと俺の方に寄ってきた。
だらしなく開いた胸元から
華奢な鎖骨を大胆に覗かせながら、
無防備が直らないこいつが腹立たしい。
目「…」
お前、さすがにこれはわざとだろ。
「ん?なに、俺顔になんかついてる?」
濡れた黒髪から頬を伝って滴る雫も、
彫りの深い整った綺麗な横顔も、
華奢で少し骨ばった若い身体も、
ラウールが魅せる全部がやけに色っぽくて、
単純に揺らぐバカな理性が悔しい。
目「お前さぁ、」
無自覚な顔して、誘ってんじゃねぇよ。
.
「んっ、なに、っ」
胸の奥を掻き立てる本能に抗えずに、
衝動的に掴んだ手首を引き寄せて
そのままラウールをベッドに押し倒す。
衝撃でぽすんとたわんだベッドが
ゆっくりと戻っていくのを見て、
混沌の狭間で揺れ動く冷静さを
ほんの少しだけ取り戻した気がした。
「ちょ…いきなりどうしたの、」
戸惑ったような声を出しながら、
紅潮して熱を持つ分かりやすいその身体は
もうとっくに俺を覚えてしまったらしい。
目「欲しいの、?」
冷めた目で試すように低く呟けば、
憂いを帯びたその黒目がちな瞳が揺れて
「…」
貫く無言は肯定か、否定か、
重なる視線と心理戦の果て、
ラウールはその口角を上げて見せた。
「ねぇ───」
" する? "
.
長い睫毛をなぞる指が、
頬、首、鎖骨、胸へと降りていく。
潤いを纏ったその細い身体は、
まだどこか子供らしく敏感で
胸を抉る溢れんばかりの愛情に、
俺はまた、愛しいその子を抱き締めた。
.
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Jasper(プロフ) - chirolさん» わぁ、chirol様お久しぶりです✨リピとロスなんて、本当にもったいないぐらいの褒め言葉を頂けて嬉しい限りです😭また新作を公開した際にはぜひ…!素敵すぎるお言葉本当にありがとうございました💓 (2022年12月27日 13時) (レス) id: ec09f7bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
chirol(プロフ) - Jasper様大好きなmmru新作素敵でした!リピとロスでほろほろ🥺実際最近のmmruの関係性がだんだんしっとり大人っぽくなり…そんなお2人さんの優しい時間を垣間見てる様な暖かくて幸せな気持ちになる作品でした。ハタチの末っ子さん作品も是非!お待ちしておりますね! (2022年12月27日 1時) (レス) id: b76aea2474 (このIDを非表示/違反報告)
Jasper(プロフ) - 瑠羽さん» わぁ、素敵なお言葉本当にありがとうございます!😭一話一話悩みながら書き進めた作品なので、ぜひたくさん読み返して頂ければ嬉しいです。20歳の末っ子くんのお話も書いてみたいなぁ…(笑)瑠羽様、温かいコメント本当にありがとうございました!💓 (2022年12月10日 20時) (レス) id: ec09f7bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠羽 - Jasper様!!お疲れ様でした!もう心の中が幸せでいっぱいです。終わってしまったロスも半端ないですが…最初から続けて読もうと思います。二十歳になったラウも楽しみですよね♪またお話楽しみにしてますね!感謝です!! (2022年12月10日 17時) (レス) @page50 id: 3cb2d911e3 (このIDを非表示/違反報告)
Jasper(プロフ) - 瑠羽さん» お待たせ致しました!笑 私もまさに同じ事を思って、今回はそんな2人の変化を描いてみました☺️最後までぜひお付き合い下さいね。 (2022年11月19日 22時) (レス) id: 262b5efa91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Jasper | 作成日時:2022年11月18日 19時