DROP -mmru- 《番外編》

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ラウールside





二人だけの甘い空間に酔いしれてたせいで
ちょっとだけ集合時間に遅れちゃって、

可愛く不貞腐れた岩本くんに
怒られたのは、それからすぐ後のこと。





でも、夜になったらめめとのデートだって
ワクワクがとまらない能天気な俺は、

そんなのもうどうでもいいぐらい…
今はただ、純粋に幸せだった。





.





阿「あれ、ラウなんかご機嫌だね」





その日も無事に全公演が閉幕した後。





ふふふんと自分でもよく分からない
鼻歌を歌いながら廊下をスキップしてたら、
お風呂上がりの阿部ちゃんとすれ違って。





「えへっ、別になんもないよ〜！」





阿「そっか、めめとデートするのか」





「ひゃっ、」





平然とした顔で誤魔化してみたつもり、
…阿部ちゃん怖いよ、なんで分かるの。





でもパーティーじゃないもんね、

" すぐ行くからコート着て下で待ってて " って、
たぶん外行こうってことだろうし。





阿「夜は気温も一気に下がるし、
ラウ風邪引かないようにね。」





" じゃ、あとは楽しんで！" と意味深に笑って、

阿部ちゃんは遠くで何かを叫んでる
騒がしい佐久間くんの元へ行ってしまった。





.





確かに、言われてみれば
もうすっかり冬になったなぁ、なんて

吐いた息が白く染まるのを見つめながら
コートのポケットに両手を突っ込んで。





冬の夜ってなんかワクワクするの、って

目を閉じて思いきり深呼吸したら、
澄んだ冷たい空気が胸いっぱいに広がった。





…めめまだかな、今なにしてるのかな。





目「───ラウ、」





ホテルを出てすぐのエントランス。





ライトアップされた植木の傍で
大好きな人の声に振り返れば、

首元にふわりと柔らかいものが巻かれた。





「めめ、」





目「中で待ってて、って言ったのに」





白と黒が入り交じったチェック柄のマフラー。





まだほんのりと温もりを感じるのは、
めめがさっきまで巻いてたからなのかな。





「聞いてないよ、」





目「うそ。…寒いのにごめんな、」





めめは切ない表情でそう呟いて、
俺の頭をぽんぽんと優しく撫でてくれた。





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