DROP -mmru- 《番外編》

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ラウールside





めめに抱き締められた瞬間、

ふわりと香ったいつもの甘い匂いに
また " 好き " が胸の奥を締め付けて。





こうやって前から抱き合ったとき、
出会った頃は目の前にめめの首元があったのに

今はもう、頬を掠めるめめの硬い黒髪が
ちょっとくすぐったいぐらい…





最近は子供みたいに笑うめめを見下げて
可愛い、なんて思うことも増えたなぁって、





…おかしいね、おれ一応
エスコートされる側のはずなのに。





「──はいっ、終わり！」





静まり返った空気がやけに寂しくて、
わざと明るい声でその場を切り上げれば

腕の行き場を失っためめが
面食らったような顔して笑った。





目「あれ、お前また背伸びた？」





そろそろ2m越えたんじゃないの、なんて
唐突にカマしてくる大袈裟なジョーク、

…めめの照れ隠しは、いつもよく分からない。





「最近測ってないからわかんないや笑」





でも、出来れば越えて欲しくないなぁ、
あんまり大きいと可愛さ半減しちゃうし。





目「越えんの嫌だから測るの避けてんだろ」





「ちーがーう！」





だって…末っ子の可愛いキャラが
何気に一番美味しいんだもん、なんて

そんな本音、口が裂けても言えないけど。





「もういいっ、おれ寝る」





なんだか急にめめの事を意識しちゃって、
理不尽に火照る頬が恥ずかしくて

目の前の白いベッドに倒れ込めば
めめにペシっとお尻を叩かれた。





目「じゃ、俺も寝る。リハ始まる前に起こして、」





「はぁ？」





" 先に寝るって言ったの俺だから！" と
文句を言いながら暴れる俺に、

めめは伸びをした後で俺の隣に寝転んで。





目「おやすみ。」





…全然人の話聞いてない。





でも、俺に向けられる視線と声が
あまりにも優しいから、

俺はまた、無意識にめめのことを
好きだなぁ、とか思っちゃったりして





…悔しい、





バカみたいにめめに惚れてる自分が、
情けないぐらいめめに甘い自分が、たまんなく。





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