DROP -mmru- 《番外編》

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ラウールside





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徐々にぼやけた意識が浮上する。





ぱち、と目を開けば視界に入る自分の手が
大好きな人の手に握られていて





ハッと息を飲んで顔を上げれば、
めめの綺麗な顔が静かに俺を見下げていた。





あれ、俺…もしかして、寝ちゃってた？





目「おはよ、」





状況を把握できずに見つめ返す俺に、
めめはふわりと優しく笑って。





「ごめん、俺…」





寝ちゃってた、と目を擦りながら呟けば、

めめは " 大丈夫、" と低い声で呟いて
俺の頭を優しく撫でてくれた。





目「もう外も暗いし、そろそろ帰るか」





" 家まで送ってく。" と付け足して、
めめは大きな伸びの後でベッドから降り立つ。





目「やっぱ夜になると若干寒いな、」





誰かが持ってきてくれたのか、

いつの間にか上着を羽織っていためめが
腕を組んで身体を縮こませる。





「あぁ…」





ぼんやりと脳裏に浮かぶ記憶と
深くて甘い感覚が残る唇に、

無意識に手をやって触れたそこは
不覚の余韻に少しだけ熱を帯びていて





いつもと変わらない態度のめめに、
俺は放心状態でその背中を見つめたまま。





記憶の境目があやふやで
ぼーっとその場に立ち尽くしてたら、

不意にパサリと何かが頭に掛けられた。





目「これ着ときな、
お前に風邪引かれたら困るから」





被せられたパーカーの上から頭を撫でられて、
きゅ、と軋む胸に噛んだ唇が熱い。





「…ありがと、」





遠慮がちにそっと袖を通したそれは、
まだほんのりとめめの体温が残っていて





なんだか急に恥ずかしくなって俯けば、

少し丈が余る袖口から覗く指先が、
めめにそっと優しく握られた。





ねぇめめ、俺がさっき見た記憶って…





目「ラウ、行こっか、」





どこまでが夢で、どこまでが現実だったの？





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