変わらないもの ．２

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長尾「あ、高橋くん来た！！遅い！」





謙杜が俺の方に走ってくる。




「ごめ、なさい、電車遅れた」


藤原「恭平が？電車が？」


「…おれ、が遅れました」







いつも、朝にはいないのに、現れるのは夕方だけなのに。



今日は何故か朝から人影があり、気にしながら、隠れながら駅に向かうと




時間は乗るはずだった電車が発車して３０分以上経っていて、




結局メンバーを待たせてしまった。






藤原「なあ恭平、今日はYouTubeの撮影やから遅れてもどうにかなるけど、


　 もしリハとか、他のグルと合同の時遅れたら俺らだけやなくて色んな人に迷惑かかるんやで？



　 もうJr.やないんやし気引き締めてな。」





「すみません、」




…ごもっとも。





何も言い返せない、正論やから。




たとえ理由があったとしても、遅れたのは変わらへん。




言い訳する筋合いなんかない。








大西「…恭平大丈夫？」



「なにが、？」





大西「なんか、辛そう」







隠してるつもりやった。




隠せなかった。






「なんすか急に！全然平気っす」



大西「顔痩せてんで？」



「小顔ってこと？」



大西「ちゃう」










『高橋くーん！ファンレター来てた』




マネージャーさんが俺を呼ぶ声が聞こえる。





「ありがとうございます」










マネージャーさんが楽屋を出て安心して、壁に手をつく。






白い封筒、





家に届くあの封筒と同じ。








事務所にまで、同じようなものが届いてたらどうしよう。




「…はぁ、っ」










道枝「恭平！？どうしたん！？」




俺の様子に気づいて、メンバーが俺の周りに集まる。








「…ごめっ、なんもない、」





大橋「なんもないことないやろ！落ち着いて息吸って、」







大橋くんに合わせて息をすると、段々落ち着いてくる。




吸入器はあんまり使いたくないねん、



ほんまもんの病人みたいやろ？








大西「恭平、さっきの封筒」



「…なんすか？」



大西「見せて」











…見せて、それがストーカーからの手紙とかやったらどうしよう。




メンバーに知られたら俺、殺されるん？




…怖い、嫌。





「無理っす、内容は俺とファンだけの秘密！」





鞄に仕舞うと、その鞄を後ろの謙杜から掴まれる。






長尾「高橋くん！少しでええから見せて！」

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