酔いｶﾚ。短編集

003. ページ7

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なんの嫌がらせか知らないけど、部長は帰る前に山盛りの資料を私の机に置いて行った。



誰もいないオフィスに、私のキーボードを打つ音だけが響く。



虚しすぎ。でも、こんなもんでしょ？私の人生。




真面目に頑張ってるのにな
何がいけないんだろう。





しばらく、パソコンと向き合っていると
足音が近づいて来て、私の隣で止まる。




横を見れば、岸くん。




『どうしたの？』


「あ、忘れ物しちゃって、取りきたんすよ〜」


『そっか。』


「先輩は、まだ終わんないんすか？」


『まあ、うん。』


「あんま無理しない方がいいっすよ？」


『じゃあ、岸くんが癒してよ。』



魔が差した。このことを言うんだと思った。


「へ？」

岸くんも、驚いてる。
まさか、私がそんな事言うとは思ってなかっただろうし。



『ごめん、今のなかった事にして！…おつかれ。』



「…あの、飲み行きません？…先輩のおごりで。」



『岸くん、ケチだね。』



私は、仕事を終わらせ岸くんと居酒屋に向かった。

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