酔いｶﾚ。短編集

003. ページ20

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「まだ寝たらあかん。」




いつの間にお風呂から出て来たんだ。





『もう、寝ないとでしょ？明日も仕事あるんだから。』




「そうやけど〜」




「A…いつもありがとう。」




『…いきなりどうしたの？』





「夜なのに、いつも電話出てくれたり、迎えに来てくれたりしてさ、迷惑かけてるから」





『…廉が早く彼女作れば、こんな事しなくて済むのに。』




「彼女いらん〜、Aがおればええわ」




廉は、何の気なしに言ってるつもりかも知れないけど、私はいつだって胸が締め付けられて



『それって、私が都合のいい女だから？』




「…へ？」




『廉は、私じゃなくても、電話したら出てくれて、迎えに来てって言ったら来てくれる。そんな人がいれば良いんでしょ？』




『私じゃなくても…』




「今日のA、なんか変」




お願い、突き離さないで。
都合の良い女で、いいから。



『ごめん…なんでもない、』



「他の人でもいいなんて、思ってないで？」



「Aが、好きやもん。」

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