酔いｶﾚ。短編集

ren.N ページ18

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携帯の着信音で目がさめる。




時刻は、夜中の1時。




こんな時間にかけて来るのは
彼しかいない。




『…もしもし。』



「ごめん、起こしたよな？」



『もう、慣れた。』



「そっか〜、ふふ。」




彼は、永瀬廉。
酔うと私に電話をかけてくる。



ちなみに、彼氏ではない。




『それで？どうしたの？』




「あんなぁ、今日、お見合いした。」



『…お見合い？』



「社長の娘さんやねんけど、タイプじゃない。」




風の音とか、車の走る音が聞こえる。
きっと、外にいるんだろう。




「でも、断ったら会社に居づらくなりそうやし…どうしたらええの？」




『うーん、娘さんの反応はどうなの？』



「社長が言うにはな、娘さんが俺に会いたいって言うたんやて〜」



確実に、気に入られてる。
顔も良いし、仕方ない事だけどね。



『私は…中途半端に付き合うより、付き合えないなら初めからそう伝えた方が良いと思う…よ？』



「やんな〜、断ろうかな？…でもな〜」


断ってよ。
他の人の物になんてならないで。

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