酔いｶﾚ。短編集

002. ページ2

・


『…なんで…』



神宮寺勇太。
私の元彼。




「写真見た時に知ってさ、Aは気付いてた訳でしょ？」




玄樹に同僚と言われて写真を見た時は驚いた。
こんな偶然…信じたくなかった。



『…うん。』



「なんで俺に言わないの？」




俺。
玄樹が一人称を変えるとドキッとする。




『…ごめん。』



謝ることしか出来ない。




「知ってたらさー、神宮寺にAの事話したりしなかったのに。」





「Aと付き合ってた頃の話聞かされて、最悪な気分でさー、だからいっぱい飲んじゃった。」




『ごめんね、玄樹。』




「謝ってないで、態度で示せよ。」



背筋が凍る。
玄樹の冷たい目が、私をただじっと見つめる。




『どう…すればいい？』



「なにしたい？」


普段からは、想像できない顔に声。



『なにって…』




「俺となにしたいか言ってよ。」




そんなの、意地悪すぎる。





「あー、もしかしてまだ神宮寺が好きとか？」



どうでもいいみたいな顔して言わないでよ。




『違う…玄樹が好き。』




本当に好きだよ。




「じゃあ、早く。なにしたいの？」

003.→←Genki.I

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す