［ヒロアカ］風と爆発2［爆豪勝己］ (ページ21)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:4,996 hit

左肩の消えない傷ページ21

爆豪君と別れて私は取り敢えず相澤先生が戦ってる所まで移動してきた。
私はそこで信じられない光景を目にした。
主犯だと思われる男の隣に立っていた筋肉質の脳ミソむき出しの奴に相澤先生が捕まってる所だ。
辺りには苦痛のうめき声が響きわたつっていた。
「助け…ないと…」
足が…動かない…どうして…何で…?
「情けないね…辛い?苦しい?A」
聞きなれた声が聞こえ咄嗟に振り返ろうとしたが遅かった。
肩に鋭く冷たい痛みが走った。
千鶴の手にはナイフが握られていた。
「う”っ……ぐっあぁ…」
「うふふ…痛い??怖い?辛い?」
千鶴の狂気に満ちた笑顔に私は言葉を失った。
私の…知ってる……千鶴じゃない……。
「けど…その前に…平和の象徴として秩序を少しでも…へし折って帰ろ!!!」
主犯と思われる男は真っ直ぐ梅雨ちゃんに腕を伸ばしていた。
私は千鶴を突飛ばし一気に風を放出し主犯の男に殴りかかった。
「させるかよ!！！」
「来た…」
私を見つけた瞬間主犯の男の口許に笑みが浮かんだ気がした。
ヤバい…このままじゃ…右手…崩れる…そう思っていた…

が、主犯の男に向けた拳が崩れ落ちる事はなかった。
「…イレイザーヘッド…」
「先生…」
あんなに傷だらけなのに私を…ここにいる皆を助けようと…
「…自分から来てくれて助かるな…風刃Aちゃん?千鶴とはもう会ったみたいだね？」
主犯の男は真っ赤に染まった私の左肩を見て不気味に笑った。
「自分の傷は治癒出来ないもんね？」
そう耳元で呟いてきた。どうして…その事を…こいつが知ってる……
「Aさんを…離せ!!!!!」
視界の端で拳を握りしめ主犯の男を殴ろうとしている緑谷君が映った。
その瞬間脳裏に相澤先生の崩れ落ちた肘の映像が流れた。
「緑谷君ダメ!!!!!!!」
そう叫んだのと同時にとてつもない風を感じた。
もしかして…主犯の男を…そう思った…が、目の前に立っていたのは先程まで相澤先生の上で痛め付けてた脳ミソむき出しの奴だった。
あの威力なのに…全くきいてない?
「逃げて!!!緑谷君!」
相澤先生をねじ伏せれるほどの力…そんな奴に捕まれば…無意識に伸ばした腕は緑谷君には届かなかった。
その代わり…
辺りに大きな音が響いた。ドアの方向から聞こえた気がしドアの方を見るとある人が立っていた。
「…もう大丈夫、私が来た!!!」
No1ヒーロー…オールマイトは笑っていなかった。
オールマイトの出現により僅かに隙ができその間に装置の風の一部を発車し主犯の男の手から間逃れた。