傷だらけのお嬢様【ヒロアカ】 (ページ9)

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8話(side仁香) ページ9

母「あら、おかえり〜って女の子連れてきたの。どうぞ、入って〜」

電気さんのお母さんはなんの躊躇もなく家に入れてくれる。綺麗な白い壁。ナチュラルな色の床。僕が住んでいた倉庫みたいな家とは大違いで。正確に言えばボクの部屋なんだけど。みんなの部屋はもっと綺麗で豪華だった。

母「あなた、名前は？」
A「A…です」
母「って？！服ビショビショじゃないの？！い、今お風呂沸かしてあげますからね！」
A「は、はぁ、ありがとうございます」
上鳴「はぁ……」

ﾋﾟﾛﾘﾝ♪

お風呂が湧いたようだ。。

A「あ、あの…下着持ってなくて……」
母「そ、そうなの？とりあえず今日はおばさんの下着を使ってくれるといいわ。」
A「す、すみません……ありがとうございます」
母「いいのよ！今日は泊まっていくんでしょ？」
A「え、と、それが……」
母「？」

上鳴「あ、えと、あ、えと、あとは説明しとくから入ってきなよ。風邪引くぞ。」
A「うん……」

沸いたお風呂に浸りながら少し考え事をした。

あぁ、なんて優しいんだろう。
………でも。僕の嫌いなアイツらだって意味もなく僕をいじめてきたんじゃない。この過去を話せば、この家族も僕を除け者にするだろうか。ボクはそれが怖い。だから、このことを話していない。僕は怖いんだ。だから逃げるんだ。色んなことから目を背けたから、きっとそれが全て繋がってきっと今ができている。

結局は僕のせいだった。
結局は僕が悪い子だったからだった。

だから、いじめられた。殴られた、蹴られた。

僕は最低なんだよ。