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そんな日々が2ヶ月弱続き
もうすぐ、インターハイが始まる。
マネージャー業にもすっかり慣れ、選手との親交もかなり深めた私は、今日も練習へと向かう。
授業中も考えているのはバレーのことばっかり。
週に一回、みんなのプレーを見てひとりひとり、思ったことをメモしていく。
それを手紙みたいにして部活の前に配るようにしてるんだけど、
先輩にはやっぱり気とか遣うわけで、思ってることが上手く書けないし
このあいだなんて2年生が「偉そうだよな」と話しているのをを聞いてしまった。それ以来先輩には書くのをやめてる。
3年生には「Aちゃんなんでやめちゃったの?」と寂しがられていたけど、欲しい時は言ってください!と言ってある。
今日も、部活前に1年だけで集まってもらってメモを渡した。
若利くんとかは、毎回読んでくれてるし、覚くんなんかはファイリングして集めてるらしい。
「Aちゃん、すっかりバレー部のマドンナだよね!」
覚くんにそう言われて周りを見ると、部活前にもかかわらずギャラリーには今まで1人も見なかった男子生徒の姿が見えるようになっていた。
私が顔を上げたのが分かると、皆こぞって手を振ってくる。
どうやら目当ては私みたいだ。
『ごめんね、迷惑だよね。やめてって言ってくる』
「そこまでしなくていいんだけどさ…
部内からもだよ、気づいてないのか?A」
英太くんがそう呟く。
『え?』
「そうそう、俺達もだけど、特に3年がな。」
隼人くんもそれに続く。
「うん、あんまり信用しすぎないで、気をつけろよ。」
獅音くんはいつまで保護者なんだろうか。
『みんな心配してくれてありがとう、でも何も無いから本当に安心して!!私はみんなのバレーに関わってたいだけ』
今日も何事もなく部活が終わり、そんなみんなの忠告を忘れたまま私は帰路についていた。
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ピンス(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてます!! (3月26日 9時) (レス) @page21 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)
ふみ - わぁ〜!!超イイ話です👍 高評価とコメントさせていただきま〜す (3月11日 23時) (レス) id: 567d5d614d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2024年2月22日 0時