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牛島side






いつもより少し遅く寮に帰ると、みんなはもう夕食を食べ終わっていた。




「あ!若利くん!おかえり〜どうだった?」




食堂の入口ですれ違った天童が、俺を見つけるや否や声をかけてくる。




「Aが、手首を痛めた。」







「ええ!?若利くん、それどうしたの?応急処置は?」








「あぁ。一応だがテーピングをしておいた。

俺が力加減を間違えた。」





「若利くん、女の子相手に全力はだめなんでないの?」








何往復か会話を交わして、列へ並ぶ。
今日はハヤシライスの日だ。






Aが無事だといいが…







他は誰とも話すことなく、夕飯を食べ終わり、自室へ向かった。



携帯電話を取りだし、部活のグループLINEからAの名前をタップする。






心配だが、電話をかけるのはさすがに迷惑だろうか。

メッセージの方がいいだろうか。






悩むこと5分、追加したまま何も送らなかったトーク画面に
一通のメッセージが送られてきた。






"若利くん?追加してくれたんだ!よろしくね。


アイコン初期設定のままだから一瞬誰かと思ったよー笑"







Aからの連絡に驚きつつも、アイコンの変え方を今度天童に教わろうと心に決めた。





"よろしくな"





そう一言送ってみたが、なんだか冷たい気がして急いで電話をかけた。






『もしもし?若利くん?どうしたの?』





電子音が混じったAの声が少しくすぐったい。





「手首、大丈夫だろうかと心配になって。」




そう言うとAは静かに笑った。





『なんだー!そんなこと?心配しなくていいのに』





「天童に言われた。女の子に全力は駄目だと。」




『でもあれ全力じゃないでしょう?



若利くんの全力はもっと腕がもげるくらいの音が…』






「いいや、関係ない。俺が悪かった。すまない。」





『ううん、心配しなくて大丈夫だよ。


ご飯はもう食べたの?お風呂は?』





母親のような文言に、少し頬が緩んでしまう。





「飯は食べた。風呂はまだだ。今から入る。」





『そっか。じゃあまた明日だね。おやすみ!』




おやすみ?俺はまだ寝ないが、女子高生の間ではこれが流行りなのだろうか。



「あぁ。おやすみ。」





電話は言い終わるか終わらないかくらいのところで一方的に切れた。



暗くなった画面に自分が映る。
とにかく風呂に入らなくては。俺は自室を後にした。

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設定タグ:ハイキュー , 牛島若利 , 白鳥沢高校   
作品ジャンル:恋愛
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ピンス(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてます!! (3月26日 9時) (レス) @page21 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)
ふみ - わぁ〜!!超イイ話です👍 高評価とコメントさせていただきま〜す (3月11日 23時) (レス) id: 567d5d614d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みあ | 作成日時:2024年2月22日 0時

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