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今年も研磨と私はおなじクラスで、春だって言うのにほとんど何も変わらなかった。


2人と一緒にいる日々も1年しかないと考えたら、尚更言うタイミングを逃し続けた。




当たり前にこんな日々が続くと思っていたし、2人もきっとそう思って疑わない。
夜中に1人で涙する日も少なくなかった。








そんな日も続き、研磨とてつくんに声をかけられたのは夏休みが明けた9月のこと。



家を出た瞬間、私のおはようよりも先に研磨が口を開いた。



「A、昨日泣いたでしょ。目腫れてるよ。」



てつくんがあーそれだけは触れずにいたのに、と嘆く。



「最近A、よく目腫れてる気がすんだけど、なんかあったのか?」



幼馴染の2人には隠せなかったようで、ようやく引っ越すことを打ち明けた。




「そっか、寂しくなるな。」


「そうだね。」



てつくんがそう言って、研磨が相槌をうつ。
それが2人なりの優しさで、それ以上は何も触れてこなかった。




オフの日はこれまで以上に遊んで、一緒にいる時間も増えた。
テストも真面目に勉強するなんてやめて、3人で夜まで話した。




春高ももちろん観に行ったし、ゴミ捨て場の決戦とやらもしっかりこの目に収めた。


きっと私が観れる最後の2人のバレー。涙が止まらなかった。





てつくんは引退した後、受験勉強に打ちこんだ。
引退したらいっぱい遊びに行こうね、なんて約束も果たせないまま卒業式を迎え、研磨と一緒に花束を送った。





てつくんの大学も無事に決まり、私は編入の手続きと引越し準備で忙しくしていた頃。



携帯電話に1本の着信があった。


"黒尾鉄朗"


『もしもし?てつくん?』


「もしもし?A、今時間ある?」



『うん、どうしたの?』


「ちょっと話したくて。」


珍しいてつくんからの着信に、驚きながらも部屋着のまま家を出る。

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黒尾ファン - この作品最高です。続き待っとるんで頑張ってください。 (3月31日 21時) (レス) @page6 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みあ | 作成日時:2024年3月14日 9時

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