告白ゲーム。【財前光】 (ページ38)

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34ゲーム。ページ38

『…白石先輩に無神経なこと言っちゃった…。』

あの時の沈黙は。

白石先輩を傷つけた。

千歳『過去のこと後悔しても意味なか。…財前のことまだ好いとっと？』

『……はい。』

千歳『不思議やね。』

『えっ？』

千歳『恋は不思議ばい。』

『…ですね。笑、』

自分を好きになってくれる人を好きになれたらどんなに楽だろう。

自分を好きになってくれる人を好きになれたら。

自分を嫌いになることもなかったのに。

『…後悔とかしてないんですけど、今ならわかるんです。
あの時の光の気持ちが。』

愛される幸せを。

愛する喜びを。

目に見えないからこそ大事なことを。

形ばっかりにこだわって。

見落としてたんだ。

忘れちゃったんだ。

『バカですよね。笑、いつまでも過去のことひきずって。』

平等にながれていく時間は、光を大人にさせて、私はおいていかれる。

同じ時間を過ごしているのに。

変わっていくのは光だけ。

恋しいとか。

虚しいとか。

楽しいとか。

さみしいとか。

愛おしいとか。

感情の全てを。

第六感の使いかたを。

私は光から教えてもらったのに。

私も光に教えたかったのに。

何にもかえせなかった。

ただ、傷つけることしかできなかった。

『…私、伝えるのが下手くそすぎて。ほんと、バカです。』

「別れよう。」

そんな言葉を言うんだったら。

「こんなに大事なんだよ。」

って、

「こんなにも想ってるから。」

って。

「悪いところは全部なおすから。」

「好きになってくれたところを自慢できるぐらいの長所にしてみせるから。」

「だから、離れて行かないで。」

伝えるのがもっとうまければ。

そんなこと言えたのかな。

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