告白ゲーム。【財前光】 (ページ33)

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30ゲーム。ページ33

ー1日目ー

おかしいと思う。

何がって？

そりゃあ…、今のこの状況が！！

『…あの、白石部長。』

白石『ん？』

『何してるんですか？』

白石『何って…Aのこと押し倒してるだけやん。』

『いやいやいや。だけやんじゃないですよ。』

白石『なんや照れてんの？笑、Aから抱きついてきたくせに。』

『それは…、』

ー10分前保健室ー

『失礼しまーす。』

1限目の体育が終わった後の休み時間。

陸上をやってて転んだ足をひきずって保健室にはいる。

はぁ、けっこう派手に転んだな…痛い…。

『先生ー、消毒……えっ、』

白石『おぉ！Aやん！』

先生が座ってる椅子になぜか白石先輩。

『…失礼しましたー。』

白石『ちょ、それはひどない？笑、
怪我したんやろ。はやく座りぃ。』

『…何してるんですか？』

白石『何って…当番。俺保健委員やで。』

『あぁ。』

そういえばそうだ。

白石『手当てしたるからそこ座って。』

『……。』

白石『A？』

『あ、…はい。』

白石『うわ、こら痛そうやなぁ。ちょおしみるかもしれんけど我慢してな。』

知ってますか？

保健室の手当てする人としてもらう人の椅子の距離。

普段は先生だからあんまり気づかないけど、あの距離って案外近いんです。

そりゃあもう手を伸ばせば抱きしめられるほど。

『……。』

整った顔の白石先輩。

…カッコいいよなぁ。顔は。

そつなく手当てしていく。

朝のこともあって何だか変に意識しそうになる。

白石『そない見られてると緊張するんやけど。笑、』

『え！あ、すみません…。』

白石『……おっしゃ。完了や。』

転んだ膝をみると、綺麗にガーゼがはってあった。

『ありがとうございます。』

白石『おん。気ぃつけぇや。』

『じゃあ失礼しま……あぁっ！！！！』

白石『ど、どしたん？』

保健室をでようとした瞬間。

扉の向こう側の廊下に何やらカサカサと音をたてて動く黒い物体が見えた。

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