【丸井ブン太】雨色トライアングル【切原赤也】

雨31 ページ32

ー赤也sideー




なんだよ。


丸井先輩のやつ、すっげぇむかつく。




全部わかってるみたいな言い方しやがって…っ！！





A『赤也、柳先輩が呼んでる。』



『……。』



A『…はぁ、』






Aが小さくため息をついた。



わかんねぇんだよ、なんで俺がこんなにイライラして、Aにあたってるか。


Aがわるいわけじゃねぇ。





そんなこと、わかってんだよ。







優奈『あ、赤也くん！』




フェンスのむこうがわから優奈が小さく手を振る。






…また隣に男いるし。


きいてもどうせクラスメイトって言うんだろうな。







『もうどーでもいいや。』




俺、結局なにがしたかったんだろ。






朝練が終わって教室に戻る。



いつもは右側にAがいたからなんかすっからかんで変な感じ。






男『赤也ー、Aは？』



『…しらね。』



男『なぁ、お前らどうしたわけ？喧嘩？』



『ちげぇよ。』





ただ、俺がきれてるだけ。





男『？よくわかんねぇけど、はやく仲直りしろよ？
お前らのうるさい声がきこえないとクラス全体が暗くなるから。笑、』






A『♪』



女『あ、Aおはよー。』



A『おはよっ！』



女『ねー、これみてよー…、』






つーかさ、なんでAは丸井先輩といるわけ？





俺たちって「幼なじみ」だろ。



ずっと一緒にいたんだし、彼女ができたからってそんな簡単に離れる縁なのか？


もっと、なんつーか…大切な存在だと思ってたのは俺だけだったのか？






そんなことを今日も俺は考えてる。


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