【丸井ブン太】雨色トライアングル【切原赤也】

雨25 ページ26

丸井先輩ってほんといい人だよね。



面倒見もいいし、優しいし、面白いし。




だからこそ、



『このまま、頼っちゃっていいのかな…。』






なんだか自分から逃げているように思う。


赤也のことから目を背けてるのかな。





『……電話？』




そんなことを考えてたら携帯がなった。




『もしもし、』



丸井『あ、俺。』



『オレオレ詐欺？』



丸井『丸井ブン太だよぃ！』



『あぁ。笑、どうしたんですか？』



丸井『いや、何してっかなー。と思って。』





丸井先輩から電話がくるのは珍しくない。



でも今ちょうど丸井先輩のこと思ってたからなんか変な感じ。





『暇なんですか？笑、』



丸井『おぅ！だから相手して。』



『はいはい。笑、』





丸井先輩と電話で話す。



やっぱり楽しいな。

さっきの暗い気持ちがちょっと嘘っぽく感じた。





話が盛り上がってきた時に、窓の外から赤也の声がきこえた。




丸井『ん？赤也か？』



『そうみたいですね。『Aー。』』





携帯を耳にあてながら窓を開ける。



赤也『宿題教えて！』



『宿題？何いってんの、あんたいつもやんないじゃん。』



赤也『今日はやる気分なんだよ！！そっちいっていい？』



『今電話中だから無理。』





そう言って窓をしめる。



しめる瞬間に赤也の声がきこえたけど無視した。






丸井『A、……いーのか？』




『はい。それより話の続ききかせてくださいよ！』







ごめんね、赤也。



私たち幼なじみには戻れないよ。





戻ったら、何十回だって私は赤也に恋をする。






ダメだってわかってるけど、とまらなくなる。


どんどんどんどん欲がでて、そのうち自分の気持ちが溢れ出す。






そんなふうになっちゃたら、私はどうすればいいのかわかんないから。




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