遊惰ちゃん【番外編】【テニスの王子様】 (ページ14)

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「苦手なもの＜氷帝編２＞」ページ14

＊樺地宗弘＊

樺地くんは面白いことを言え、という事が苦手らしい。

大方跡部にでも言わされたのかな。

ちょっと罪悪感あるけど、無駄に心を鬼にして…

「樺地くん樺地くん、面白いこと言って？」

樺地「……ウ、ス」

私に言われた途端、少し固まり言葉がつっかえながらもいつもの応答をした樺地くん。

…ああ、だめだ。やっぱり耐えられない。

「…ごめん、やっぱり」

いいよ、といいかけた途端だった。

樺地「…布団が、吹っ飛びました」

真顔のまま言った樺地くん。

「…っえ」

苦手なのに、言ってくれた。私が言ったことなのに、無視せずに…？

「…ふふ」

私は笑って樺地くんの両手を握った。

＊芥川慈郎＊

「じろーくん」

寝てるじろーくんに話しかける私が手に持つのは、沢山のトマトミルクプリン。

芥川「んん…A…？…あ、遊びに来てたの！？全然気づかなかったＣ…」

「急に来ちゃったからね。」

芥川「そっかあ、…あれ？手に持ってるの、どうしたの？」

じろーくん、ごめん。私は今から君に意地悪をしなきゃならない。

「…トマト、ミルクプリンだよ。皆の為に作ったんだ。食べる？」

コトン、とじろーくんの前に少し赤いプリンを置く。

じろーくんは、トマトが嫌いだ。

ちゃんとじろーくんが好きなポッキー持ってきたし、気を使ってくれようとしたら止めるつもりだ。

芥川「……そうなんだ！すっげー嬉しい！！食べる食べる！」

少し間があきながらもじろーくんはいつものように満面の笑みでこちらを見てきた。

うー…私はその気持ちだけで嬉しいよ…じろーくん、ありがとう。

「ありがとうね、じろーくん」

私は笑い、プリンを戻そうと手を伸ばしたが…

その手は空気に触れた。

「え？」

ｶﾗﾝｯ

目の前には、スプーンが入っているからのプリンが入っていた小さな瓶。

「…っじろーくん、大丈夫？トマト嫌いなんでしょ？無理しないでっ」

私が慌ててじろーくんを見ると、彼は目を見開いていた。

芥川「おい、しい…？…そうだよ、俺トマト苦手なのに…。やった！A、俺克服出来たＣ！！」

「嘘…」

その後じろーくんにただのプチトマトを食べさせてみたところやはり苦手なものは苦手みたいだった。