英雄は灯台もと暗し*jk* (ページ9)

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ホソク先輩とはしばらく会わずに済んでる。
言い訳する日が延びてるだけなのにね。

あれからホソク先輩とセットで、黒ずくめの弟も思い出したりして。
自分でもどうしちゃったんだろうと思う。

「Aちゃん大丈夫？調子悪い？」

『テヒョンは優しいねー。いい男だねー。』

「本当に思ってる？」

『ん？・・うん(笑)』

「相変わらず嘘が下手だね(笑)」

ジミンの高校時代の同級生で、私と同期のテヒョン。
めちゃめちゃイケメンだけど、彼女と続かない。
テヒョンは悩んでるけど、きっと不思議ちゃんなところがあるからだろうなと私は気づいてる。

『黙ってればもっといい男なのにー。勿体ないねー。』

「お世辞も相変わらずだね、てか傷つく・・」

『ごめん、嘘つけないんだよねー。』

「そういうとこ、ジミンにそっくり(笑)」

テヒョンの子どもっぽい笑顔が霞んでみえる。
テヒョンのイケメンパワーにやられた？

「え？・・ちょっと！Aちゃん！」

そんな訳もなく視界がぼやけてく。慌てるテヒョンの声が聞こえたところで記憶がブツリと途切れた。

・

ぼんやりとした意識のなか。
誰かが私を抱えてくれる感覚と、聞き覚えのある声。
誰かに、呼ばれてる気がする。

「A？！目、覚めた？！良かったぁぁーーー！！」

『ホソク・・先輩？』

「死んじゃうかと思ったよーー！！」

先輩の酷い顔で急に意識が冴えていく。
同時に聞こえたのは大嫌いで気になってる奴の声。

「・・はぁ。・・・ったく、人騒がせな。」

面倒くさそうなため息とおまけに舌打ち。
この前の面影は全くない、今まで通りの冷酷さ。

それでも額に触れた奴の手のひらは、少し冷たくて心地よかった。