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*8* ページ8

『あ。』

「あっ、て・・挨拶を知らないの?」



いろいろあってからの休日。
気分転換に映画でもみようと思い立って、
まだ寝てるジミンを起こさないように家を出た。

ポップコーンと飲み物を買って席についたまではよかったんだけど・・
忘れるために来た映画館で、ストレスの元凶に会うことになるとは思ってもなかった。



『・・どーも。』

「別に挨拶される仲でもないけど。」



ポップコーンをぶちまけたいくらい腹が立つ!
こんな広い映画館で、隣の席って!

怒りに任せてポップコーンを口に入れる。
イライラしたときは食べるに限る!



「ねぇ。」

『何ですか?!』

「うるさい。集中できない。」



せっかくの休みが台無しな気分。
大好きな俳優さんの笑顔をみても、心は穏やかにならない。

我慢できなくて映画館を出た。

お金も時間も無駄にしたなと思いながら、次の目的地を探す。
相変わらずスマホにはホソク先輩からの着信を知らせる通知が届いてる。



『あーあ、最悪。』



近くの公園のベンチに座って、虚しくポップコーンを食べる。一人じゃなんとなく寂しくて、すずめにもお裾分け。
少し心穏やかになったのに・・



「ねぇ。」

『何?私は呼び止められることしてませんよ?』

「いや・・そうじゃなくて。」



黒ずくめが急にしどろもどろ。
今更?と余計イライラしてくる。



『じゃあ何?』

「これ、今日のお詫び。仕切り直してください。」

『・・は?映画のチケット?』



無理矢理押し付けられたみるはずだった映画のチケット。
訳がわからなくて奴を見つめる。



「ごめんなさい。」



深く被ったフードから、キレイな顔が露になる。
今までのイメージをいろいろ覆して、走り去っていく背中をしばらく見つめてた。

*9*→←*7*



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:蒼しょこら | 作成日時:2022年7月29日 5時

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