英雄は灯台もと暗し*jk* (ページ17)

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ユンギ兄もジミンも、ジョングクさんが居ることに何も違和感を感じないらしい。

「ジョングクー、飯まだー？」

「ジミン兄、何回聞くんですか？おとなしく待っててよ。」

「待てないから聞いてんのー、腹減ったよー。」

すっかり私たち家族に馴染んでる。
いいのか、悪いのか、わからないけど。

『後は私がやりますから、ジミンの相手してあげてください。』

「ジミン兄よりAの手伝いの方が大事。」

手が荒れちゃうからって洗い物を代わってくれて、
炒め物は油がはねるから代わってくれて。

私に甘いところまで似てきてる。

違う出会い方をしてたら好きになってたかもしれないなって思うくらい、
本当は女の子の扱いがうまい人なんだろうな。

「唐揚げはどの皿に盛り付ける？」

『大皿が一番上にあるので、』

「いいよ、とるよ。」

きっといい旦那さんになるだろうし、いいパパになるんだろうな。
こんなにさりげなく、でも当たり前に気遣いのできる人なんているんだ。

「え？なんで不満そう？」

『別に不満なんてないですけど。』

「そ(笑)？ならいいけど。Aも食べよう。」

さりげなく手をひかれて、さりげなく隣に座らされる。
彼氏でもない、友達でもない、よくわからない関係なのに。
どう反応していいか、戸惑う。

『ジョングクさんはお客さんなんですから、たくさん食べてくださいね。』

「お客さんなら一緒に作ったりしないよ。」

そういって私の口に唐揚げを突っ込んできた。

いたずらっ子みたいに歯をみせて笑った顔が可愛らしくて、でもドキッとして。
持っちゃいけない感情を持ってしまいそうで怖くて、
ビールで唐揚げを流し込んだ。